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アーセナルは巧妙だった。上位対決を制して4位浮上、冨安健洋の働きぶりとは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

影の立役者は冨安健洋



 見事な戦術で難敵を下したアーセナルだが、この試合に先発出場した冨安健洋はマッチアップした相手選手を完封。攻撃面ではアクセント付けるなど、この勝利の影の立役者となる活躍を見せていた。

 右サイドバックで先発出場した冨安は、ビルドアップの際に中央寄りにポジショニング。トーマス・パーティーと同列までポジションを上げ、逆サイドにボールが渡った際にはピッチ中央まで上がるなど、チーム全体のバランスを取りつつ、パーティーとともに試合をコントロールしていた。

 また、右サイドでボールを持った際には、ウーデゴール、ブカヨ・サカとの連係で相手の守備を翻弄。25分にはサカへのスルーパス、直後の28分に相手DFをかわしてクロスなど、試合序盤から再三チャンスを演出していた。

 互いに右サイドを起点としたことで、冨安が守備で1対1となる場面は少なかったが、52分にはパスを受けに行った相手MFに対してクリーンなタックルでボールを奪取。スタジアムのファンを沸かせると、アーセナルの追加点は冨安の守備から生まれた。

 ペナルティーエリア手前でサイード・ベンラーマがパスを受けると、冨安がすかさずプレス。粘り強い守備でボールを奪うとサカ→スミス=ロウと繋ぎ、追加点が決まった。

 試合後のインタビューで冨安は「4位に入るための大事な試合だったので、勝ち点3を掴んで4位に上がれたという結果に満足しています」と、この試合に満足感を示した。続けて「今度は4位を守り、より上位を目指す必要があるため、次の試合に集中します」と、さらに上を目指す姿勢を示した。

 冨安がインタビューで話した通り、この試合で勝利したアーセナルは暫定4位に浮上。トップ4入りは果たした。しかし、まだまだシーズンは中盤戦。ここからトップ4争いはさらに激しくなっていくが、アーセナルはCL出場権を獲得することができるだろうか。

(文:阿部勝教)

【了】

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