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リバプールはなぜ苦戦?得点力不足のトッテナムに2失点、両者にあった大きな差とは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

プレミアリーグ第18節、トッテナム対リバプールが現地時間19日に行われ、2-2の引き分けとなっている。前節終了時点で公式戦8連勝中と絶好調の2位リバプールだが、今節は得点力不足に悩むトッテナムに多くの決定機を作られてしまった。なお、リバプールの南野拓実に出場機会は訪れなかった。(文:安洋一郎)


リバプールの公式戦の連勝は8でストップ

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【写真:Getty Images】

 試合開始直後からホームのトッテナムは、ハリー・ケインとソン・フンミンの2トップがリバプールのハイラインの裏を狙うという明確なプランを持って試合に臨んだ。

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 対するリバプールは、ディフェンスリーダーのフィルジル・ファン・ダイクを新型コロナウイルス陽性で欠いており、カウンターを含むトッテナムの縦に早い攻撃に苦戦を強いられた。

 その結果、13分にタンギ・エンドンベレからのスルーパスに抜け出したケインがプレミアリーグで7試合ぶりとなるゴールを決め、トッテナムが先制することに成功した。

 だが、前節(第17節)終了時点で開幕から48ゴールを決めているリバプールからすると1点ビハインドはそこまでの苦ではなかった。35分に同点、69分に逆転ゴールを奪い試合をひっくり返した。

 69分に逆転をされたトッテナムだが、長い時間リバプールに攻め込まれ続けていたわけではない。むしろトッテナムの方が試合を通じて多くのチャンスを作っており、データサイト『Sofa Score』によると、ビッグチャンスの数はトッテナムが6、リバプールが1となっている。

 このデータから明らかなようにトッテナムは狙い通り縦に早い攻撃から多くのビッグチャンスを作ったが、デレ・アリやケインのシュートミス、リバプール守護神アリソンの好セーブもあり追加点を決めることができなかった。

 決定力を欠いていたトッテナムだったが、74分に同点に追いつく。ハリー・ウィンクスがペナルティエリア内に送ったスルーパスを、アリソンが処理しきれずクリアミス。そのこぼれ球を拾ったソン・フンミンがゴールに流し込んだ。

 このゴールが決まった直後の77分にリバプールのアンドリュー・ロバートソンがエメルソンを蹴ってしまい、OFR(オン・フィールド・レビュー)の末に一発退場という事態も発生したが、試合はこのまま2-2のドローに終わった。

 シュート本数こそトッテナムが10(枠内5)、リバプールが18(枠内6)だったが、ゴール期待値はトッテナムが2.62、リバプールが1.52とホームチームの方が質の高いチャンスを作ることに成功していた。

 一体なぜ、リバプールは今季得点力不足に悩むトッテナム相手に多くの決定機を作られてしまったのだろうか。

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