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セリエA 2年前

「最悪の夜になった」ミラン。起きてはいけない格下に敗北、何が問題だったのか?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

起きてはならないことが起きた



 組み立てとフィニッシュの局面で精彩を欠くなど、自分たちで自分たちの首を絞める格好となったミラン。しかし、大きな敗因はそれだけではない。審判のジャッジに泣かされたのも紛れもない事実である。

 問題のシーンとなったのが1-1で迎えた後半ATだ。ミランは途中出場ジュニオール・メシアスがゴールネットを揺らし土壇場で勝ち越しに成功したかに思えたが、マルコ・セラ主審はゴール直前にあったアンテ・レビッチへのファウルでアドバンテージを適用せず、笛を吹いてしまった。この日、際どいタックルはほとんど流していた印象が強かったが、この場面だけ判断が早かった…。

 当然ミランの選手たちは猛抗議。救世主になりかけたメシアスはその場に座り込んでしまった。しかし、一度吹いてしまった笛は取り消すことができない。ミランの得点は認められず、ゴール前で得たフリーキックも決めきることができなかった。

 その後ミランは失点し敗北。ピオーリ監督は「このエピソードで我々は冷静さを失い、混乱してしまい、集中力も失い失点してしまった」とコメントを残した。

 セラ主審はその場でミランの選手たちに謝罪し、その後ピオーリ監督にも謝罪したという。さらに『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、イタリア審判協会(AIA)もミランに対し謝罪をしたようだ。ただ、ミランの勝ち点はいくら謝られても0のまま。主力に欠場者が多いなどただでさえ傷を負っているのに、その傷口に塩を塗られるような結果となってしまった。

 決して起きてはならないことが起き勝ち点3を失ったミラン。ここからセリエAではユベントス、そしてインテルと戦うことになるが、スペツィア戦で受けたショックを払拭し、ビッグマッチを笑顔で終えられることができるだろうか。

(文:小澤祐作)

【了】

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