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セリエA 2年前

「最悪の夜になった」ミラン。起きてはいけない格下に敗北、何が問題だったのか?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

指揮官が悔やんだのは…



 まず触れなければならないのが、攻撃面のクオリティーである。

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 この日のミランはフランク・ケシエ、イスマエル・ベナセル、そして絶好調サンドロ・トナーリと中盤の重要なピース3名を欠いていた。そのためダブルボランチにはティエムエ・バカヨコとラデ・クルニッチの2人が起用されたのだが、やはり彼らは攻撃時に物足りなさを残してしまった。

 スタートは4-2-3-1だが、ピオーリ監督は攻撃時にバカヨコをアンカー、クルニッチをブラヒム・ディアスと並べるような4-3-3を作り出していた。しかし、ゲームメイカータイプではないバカヨコからはなかなか効果的なパスが出てこず、ボールもあまり落ち着かない。そのためミランの攻撃は思ったように加速せず、結局は相手を動かせぬままロングボールを蹴り込むことが散見された。

 実際、試合後にピオーリ監督は「バカヨコが深くに位置し、クルニッチがラインの間に入って試合を組み立てた。そこに完璧なメカニズムを構築できなかったのは事実」と話している。トナーリにケシエ、そしてベナセルら不在の影響をもろに受けてしまった結果と言える。

 ただ、ロングボール一辺倒のような戦い方になってしまったのは少し勿体ないが、ミランの最前線には超巨人ズラタン・イブラヒモビッチがいる。いくら効果的に組み立てられなくても、彼にボールを当てて収めてもらい、そこからレオンやT・エルナンデスの突破力を活かすことで、強引にでもチャンスを作り出すこと自体はできていた。

 しかし、この日のミランは仕上げの部分でも質を落としている。とくに前半は1点で終えるような内容ではなかった。結局はこの決定力不足が最後の1-2というスコアに大きく影響しており、ピオーリ監督も「前半にもっとゴールを決めるべきだった」と試合後に悔やんでいる。

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