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バルセロナが強すぎる! ナポリの「癖」を突いたシャビ監督の効果的な2つのプランとは?【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

シャビ監督による柔軟な戦い方



 先述したことからも分かる通り、この日のバルセロナは前半終了時点でほぼ勝負を決めていた。これは、シャビ監督が用意してきたものが完璧にハマっていたからこその結果と言えるだろう。

 シャビ監督は試合の前日会見で「(ナポリは)高い位置で攻めてくるだろう」とコメントを残していた。その言葉通り、ナポリは全体のラインを高めに設定して、バルセロナを苦しめようとしていたのだ。

 それを見越していたバルセロナは、ビルドアップ時の中盤飛ばしを徹底している。主なターゲットは柔軟な動きで相手をかく乱できるだけでなく、身長182cmと高さもあるフェラン・トーレス。そこで確実にボールを収め、高い位置を取るナポリの中盤の背後を突くことで、自然とペドリ、F・デ・ヨングのインサイドハーフも前向きでアクションを起こせるようになっていた。シンプルではあるが、ハイプレスを狙っていたナポリに対しては実に効果的だったのだ。

 2点目の場面はその狙いが功を奏した形だ。マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンがロングフィードを送ると、相手のクリアミスもあり、ボールはF・トーレスの元へ。すると同選手がこれをF・デ・ヨングに落とす。この時点で背番号21は相手ボランチの背後を突いていたため、ノープレッシャーでドリブル。そして最後はフリーのまま芸術的なミドルシュートを突き刺していた。

 ただ、シャビ・バルサがナポリを圧倒的できた理由はこれだけではない。守備時のアクションでもホームチームを大いに苦しめていた。

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