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セリエA 2年前

ACミランがインテルを苦しめた方法とは? いつもと違った攻撃の良さ、タイトル獲得へ向けた感触は…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

いつもと違う良さを出した攻め



 攻撃時は、やはり左サイドの爆発力が目立った。T・エルナンデスはとくにカウンター時にその威力を示し、レオンは独特なリズムからの仕掛けで何度か深い位置に侵入。インテルDF陣を困らせていた。

 また、トップ下クルニッチもかなり良い動きを見せていた。

 今季ミランにおけるトップ下のファーストチョイスはブラヒム・ディアス。両利きでボール扱いに長ける同選手は基本的に下がってパスを貰うことが多く、そこからドリブルで仕掛けたり、味方を使いながら深い位置に侵入していくプレースタイルとしている。

 しかし、この日トップ下で起用されたのはクルニッチだ。彼の場合は、より“動き”で勝負できるタイプ。つまり、B・ディアスのように下がってボールを受けるのではなく、最前線ジルーの空けたスペースに飛び出ていくことができるのだ。このインテル戦では、そのようなアクションが何度か見られており、相手DF陣をより低い位置に固定することができていた。ピオーリ監督も試合後に「前線では4vs4の状況を作り出すことで相手を困らせていたね」と、普段と少し異なる形に満足感を示すコメントを残している。

 このように攻守でインテルを上回ったミラン。唯一足りなかったのは仕上げの精度と言えるが、ホームでスコアレスドローという結果はそれほど悪くない。良い感触を掴んだまま、今後のリーグ戦、そして2ndレグに向かうことができるだろう。

(文:小澤祐作)


【了】

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