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リバプールは敗戦を悲観すべきか? インテル戦の敗北は「追い風になるかもしれない」【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

“唯一”0-1での敗戦が許されていた試合


 なぜ、リバプールが今日の敗戦を悲観する必要がないのか。既に制したカラバオ・カップとまだ勝者が決まっていないプレミアリーグ、CL、FAカップの全てを勝ち取るためには1試合も落とすことはできない。だが、今日のインテル戦は“唯一”0-1での敗戦が許されていた試合だったのだ。

 大前提としてCLの決勝トーナメントにおいては、決勝以外は2戦合計スコアで上回れば勝ち残ることができる。リバプールは先月に行われたサン・シーロ(インテルのホーム)での試合を2-0で勝利していた。そのため準々決勝に勝ち上がるためは、2nd レグで勝利、引き分け、0-1での敗戦の3つの選択肢があった。もちろん勝利して次ラウンドに進出することがベストの選択肢であったのかもしれないが、あくまでも今日の敗戦は突破するための選択肢のうちの1つだったに過ぎない。

 また、この0-1の敗戦が内容も伴っていない「完敗」であった場合は悲観する必要があったのかもしれないが、インテルより明らかに決定機は作れており、今日の課題はフィニッシュの精度だけだった。失点を喫した場面もジョエル・マティプのパスミスがあったとはいえ、ラウタロ・マルティネスのシュートを褒めるべきだろう。

 最後の試合の終わらせ方にも問題はなかった。インテルのゴールが決まった直後の63分にアレクシス・サンチェスが退場し、リバプールは数的優位となったが、そのタイミングでユルゲン・クロップ監督はチアゴ・アルカンタラとカーティス・ジョーンズに代えてジョーダン・ヘンダーソンとナビ・ケイタを投入した。途中投入された2人には残りの25分をコントロールする役割が求められていたが、彼ら2人はそれを実行し、決定的なチャンスを相手に作らせなかった。

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