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オランダの消えた逸材5人。天国から地獄へ…表舞台から姿を消したかつての天才たち

シリーズ:消えた逸材5人 text by 編集部 photo by Getty Images

DF:ロイストン・ドレンテ

ロイストン・ドレンテ
【写真:Getty Images】


DF:ロイストン・ドレンテ
生年月日:1987年4月8日
主な在籍クラブ:フェイエノールト、レアル・マドリード
現所属クラブ:ラシン・ムルシア(スペイン4部)

 名門フェイエノールトでプロキャリアのスタートを切ったロイストン・ドレンテは、わずか2年目にしてレギュラーの座を奪取。さらに2007年夏に開催されたUEFA U-21欧州選手権では最優秀選手賞に輝く活躍を見せるなど、早くから攻撃的サイドバックとして大きく評価を高めていた。そして同年8月、当時20歳の若手選手に対しては破格と言える移籍金1300万ユーロ(約16億円)を支払ったレアル・マドリードに加入することになる。

 しかし、マドリーという世界有数のビッグクラブでプレーすることは、これが初の国外挑戦だったドレンテにとっては難しかったようだ。加入当初はチームに負傷者が多かったことでそれなりの出番はあったが、DFとして守備力の低さを疑問視されていた。そのため左SBとして主力に躍り出ることはできず、一列前やウイングで使われるように。ただそれも、ほとんどが途中出場だった。結局マドリーでは最後まで期待に応えられず、2010年にレンタル移籍を経験することになる。

 マドリーで居場所を失ったドレンテのキャリアはそこから歯車が狂った。エルクレス、エバートンへ期限付き移籍した後はロシアに渡り、そこからレディング、シェフィールド・ウェンズデー、カイセリ・エルシエススポルに在籍。2015年にはついに欧州を離れ、UAEでプレーしている。もちろん、ここまで記したクラブにはいずれも短期間しかおらず、評価を取り戻すような活躍を見せたとは言い難かった。

 ただ、ドレンテのキャリアはこれで終わらない。2017年に現役引退しラッパーへの転向を発表したが、2018年1月に現役復帰したのである。さらにその半年後にはスパルタ・ロッテルダムに加入。その後に3部のコザッケン・ボーイズにも在籍した。そして昨年ドレンテは2013年に設立されたばかりのスペイン4部ラシン・ムルシアに加入し、22年1月からはレアル・ムルシアにレンタル移籍。まるで一つのラップ曲にできそうな、波乱のキャリアを歩んでいる。

【了】

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