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優れていたアーセナルの「守り切る力」。中2日、欠場者続出でも勝利、機能していたアルテタ監督の采配とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

後半をどのようにして守り切ったのか


 中5日で戦っているビラと中2日で戦っているアーセナルでは体力面で差があるのは仕方のないことだ。プレスを剝がされる場面が増えるなど、そうした影響が後半から徐々に出るようになった。

 そうした中で非常に効果的だったのがエミール・スミス=ロウとサカの両ワイドの2人だ。彼ら2人がボールを受けた場面で相手のファウルを誘うことで、押し込まれている展開でも定期的にマイボールにすることができていた。データサイト『Sofa Score』によると、試合を通じてスミス=ロウは5つ、サカは3つのファウルを受けている。

 また、69分にサカ、78分にラカゼットをベンチに下げる決断を下したミケル・アルテタ監督の采配も良かったといえる。守備面でも負担が大きくなっている彼ら2人を普段より早い時間に下げることで蓄積疲労による怪我のリスクを回避することができていた。

 ラスト10分はビラの選手全員がアーセナル陣内に入って攻め込むという展開が多くなったのだが、86分にロブ・ホールディングを投入した決断も非常に効果的だった。5バックにシステムを変更することで背後へのスペースを消し、クロスを放り込まれてもピンポイントではない限り決定機を作られにくい状況を作った。

 こうしたアルテタ采配が上手く機能したこともあり、アーセナルは厳しい状況下で勝ち点3を獲得することに成功している。

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