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優れていたアーセナルの「守り切る力」。中2日、欠場者続出でも勝利、機能していたアルテタ監督の采配とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

さらに強くなるためには…


 敗れた前節リバプール戦も同様だったのだが、毎試合のように後半途中から投入されるニコラ・ペペとエディ・エンケティアの2人は、どうしても先発で試合に絡んでいる選手たちと比較すると見劣りしてしまう。

 先月24日に行われたウォルバーハンプトン戦のように途中出場から活躍する試合もあるといえばあるのだが、流れを変える起爆剤としては物足りない印象だ。

 今節も後半途中から出場した2人だが、ペペは試合終了間際に不用意なファウルを与えたことでピンチを招き、エンケティアはラカゼットと対照的に全くボールを収めることができず、途中出場からの役割を全うしたとは言い難い。

 アルテタ監督は今節の勝利が非常に価値のあるものだとした上で、「2点目を奪うことができず、試合を終わらせることができなかった」と試合後に振り返っている。味方選手が疲れている状況で投入された2人がゴールやチャンスを演出してくれれば理想的なのだが、結果的にこの試合では両者ともにシュート0、キーパスも0と相手の脅威とはなっていなかった。

 最終的に勝ち切ることができた試合で、途中投入された攻撃的な選手に「流れを変えてくれ!」というのは求めている基準が高すぎるかもしれないが、彼らのような立場の選手が今以上に起爆剤として機能をすれば、アーセナルはさらに強いチームとなるだろう。
(文:安洋一郎)

【了】

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