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リバプールは何を変えたのか? 見事な修正で宿敵マンチェスター・シティを撃破。3トップ中央で輝くマネの凄さとは?【分析コラム】

text by 編集部 photo by Getty Images

リバプールが改善した点とは



 その点とは、リバプールの守備にある。

 プレミアリーグ第32節の対戦時、リバプールは守備時に4-1-4-1のブロックを形成。モハメド・サラーとマネは2列目まで下がり、最前線のジョタとインサイドハーフの1枚が相手CBにプレスをかけた。

 サイドバックを警戒した守備対策はあまり機能していなかった。

 ゲームの組み立てに関わるジョアン・カンセロとカイル・ウォーカーの足元にボールを入ったところを、サラーとマネがプレスに行くプランだったのだろう。しかし、マンCはそれを読んでいたかのように両サイドバックが後ろでパスを受けず、果敢に裏を狙ってきた。

 これにより2列目に入ったサラーとマネは機能せず、インサイドハーフが前に出たことで、中央に残ったファビーニョの両脇にスペースが生まれてしまっていた。VAR(ビデオアシスタントレフェリー)のチェックの末にゴールは取り消しとなったが、ラヒーム・スターリングに決められた場面では、この空いたスペースをデブライネに突かれ、スターリングにスルーパスを通されている。

 これを踏まえ、 リバプールは守備時の対応を変更していた。

 FAカップ準決勝では、チアゴがファビーニョの横に並ぶ4-2-1-3の陣形で対応。相手のCBへは最前線のマネとケイタがプレスをかけた。

 これにより、前回対戦で穴となったファビーニョの両脇のスペースを埋め、ケイタがマネと前線からプレスをかけることで、両ウイングのサラーとルイス・ディアスはサイドバックのマークに付けていた。

 マンCは控えメンバーが多く出場していたため、上手く連係出来ていなかったこともある。

 それでも、データサイト『WhoScored.com』によると、リバプールが前半に受けた被シュートはわずか1本。この数字を見てもわかる通り、相手の攻撃をほぼ完璧に抑え込めていた。

 後半はより積極的にDFラインの裏を狙ってきたマンCに2点を返されたが、リバプールは前回対戦で突かれた穴をすぐに改善。短期間で完璧に修正したリバプールが、宿敵との激戦を制した。

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