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バルセロナ、なぜ絶不調に? 繰り返された“同じ過ち”と、あの男の不在による影響とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

バルセロナが繰り返す過ち



 この結果、バルセロナはカンプ・ノウでの公式戦3連敗ということに。本拠での3連敗自体はクラブ史上2度目のことだが、前回は1997/98シーズンから1998/99シーズンにかけてのものだったので、同一シーズンでの3連敗は今回が史上初のことになる。まさに不名誉な記録だ。

 ここ最近のバルセロナは、同じ過ちを繰り返している。それは、前半と後半の“入り方”である。

 UEFAヨーロッパリーグ(EL)準々決勝1stレグのフランクフルト戦では、後半開始わずか3分で先制点を献上。その後同点に追いつくのが精一杯だった。また、同2ndレグでは試合開始わずか4分で先制点を許し、相手に勢いを与えたことで一気に失点を重ねてしまった。

 リーグ戦でも同様だ。第32節カディス戦では後半開始早々の48分に先制点を許し、最後まで苦しんで0-1で敗れた。そして今回のラージョ戦。7分という早い時間に失点し、最後まで同点に追いつくことができなかった。

 この点に関しては、シャビ監督とチームの要であるセルヒオ・ブスケッツも言及している。ラージョ戦後のコメントは以下の通りだ。

「相手の武器と今日の試合の重要性については、ビデオを含めて事前から話していたが、前半の入りがとくに酷かった。やる気や信念が足りず、このようなことは決して許されない。また前と同じ話をしなければいけないのは残念だ。序盤から終盤のようなエネルギーを出すべき。ミスから学ぶべきだ」(シャビ監督)

「ここ最近と同じで試合の序盤に失点し、全てが難しくなってしまった。向こうが最初に得たチャンスで決められたら、相手が守備的になりスペースを見出すのが困難になる。リーガ2位の座を取るために、早めに切り替えなければならない」(ブスケッツ)

 ブスケッツの言葉が全てだろう。先に得点を許し、守られて、勝ち点を失う。上記の通り、バルセロナはこれを繰り返してしまっている。どのチームでも、先に点を奪われてしまっては、その後の展開は難しくなる。この点に関しては戦術面だけでなく精神的な部分も絡んでくるが、早急に改善しなければいけない。

 しかし、直近のバルセロナにおける大きな問題はこれではない。もっと深刻なのは、あの男による攻撃面のクオリティー不足だ。

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