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まさに「神采配」。リバプールは史上最強! 勝利をもたらしたクロップ監督の2つの決断とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

勝利を手繰り寄せたクロップの“神采配“



 0-0で迎えた60分、リバプールのユルゲン・クロップ監督はサディオ・マネとナビ・ケイタを下げ、ディボック・オリギとルイス・ディアスを投入することを決断した。

 その直後の62分に試合が動く。オリギのポストプレーからモハメド・サラーにボールが渡り、最後はボックス内まで上がっていたアンドリュー・ロバートソンが頭でゴールにねじ込んだ。

 ゴールを決めるための選手交代を行った直後に結果が出たリバプール。これだけでもクロップ監督の”神采配”とも言えるのだが、今節はこれに留まらなかった。82分にはキャプテンのジョーダン・ヘンダーソンを投入し、計7枚のイエローカードが飛び交った荒れ気味の試合を終わらせるための交代カードを切った。

 すると、またしても選手交代が好転的な方向へと進む。CKの流れからボールを受けたヘンダーソンがボックス内へクロスを送ると、これをルイス・ディアスがバイシクルシュート。シュートは枠を外れたが、ゴール前に詰めていたオリギが頭で押し込んでダメ押しとなる2点目を取ることに成功した。

 マージーサイド・ダービーやUEFAチャンピオンズリーグ(CL)など大一番で結果を残すオリギらしいゴールであった。オリギは対エバートン戦のゴールが今節のゴールで6点目となり、データサイト『Squawka』によると彼のキャリアの中で最も多くの得点を決めている相手がエバートンになるそうだ。

 オリギの投入はこうしたデータを知っていた上でのものだったのだろうか。2ヶ月以上プレミアリーグで起用していなかった選手を大一番で抜擢し、指揮官の期待に応えたオリギは再びマージーサイド・ダービーでヒーローとなった。

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