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古橋亨梧が入るだけでこれだけ変わるのか!? やはり別格の存在、セルティックの名コンビも完全復活【分析コラム】

text by 舩木渉 photo by Getty Images

次節優勝をかけたレンジャーズ戦へ

古橋亨梧
【写真:Getty Images】



 確かにポステコグルー監督が「今日はおそらく2つか3つのゴールを決められただろう」と語った通り、古橋は前半だけでも数多くのチャンスを演出していた。彼1人が入るだけでこれだけ変わるのかと感じるほど、セルティックの攻撃が活性化したのである。

 その後、古橋は64分にFWリエル・アバダとの交代でベンチに下がった。まだ「最高の状態」ではないため、大事をとっての交代だろう。指揮官も事前に60分前後までと決めていたに違いない。

 先発に復帰したロス・カウンティ戦の64分間でセルティックの背番号8が放ったシュートは5本、内訳は枠内シュートが2本、クロスバー直撃が1本、枠外シュートが1本だった。先制点のみならず、限られた時間の中でこのパフォーマンスであれば上出来だ。

 なにしろ次節には事実上の優勝決定戦と言っていいレンジャーズ戦が控えている。リーグ戦は残り4試合で、首位セルティックと2位レンジャーズの勝ち点差は6ポイント。もし次節のダービーマッチで勝利すれば、その差は9ポイントまで広がるため、残り3試合でレンジャーズが追いつくのは極めて困難になる。

 ポステコグルー監督としても、今季二冠を達成するために鍵となる一戦で「100%シャープな状態」の古橋を起用したいはず。そのために慎重にコンディションを調整してきたと言っても過言ではない。

 試合後のクラブ公式インタビューの中でも「みんながキョウゴのことを恋しがっていた」と語っていたポステコグルー監督は、「彼はちょっとした魔法みたいなものを持っている。ゴールは彼が復帰するためにハードワークしてきたことへの報いだ」と古橋を称えた。

 その「魔法」をより強力にしてレンジャーズ戦に挑んでもらいたい。ロス・カウンティ戦での起用法には指揮官からの信頼や願いがこもっていたのだろう。

 古橋は自らのゴールで完全復活を印象づけた。やはり彼は別格なのだと、誰もが感じたことだろう。ピッチに立つだけで攻守両面が活性化し、ゴール前の背番号8に自然とボールが集まってくる。

 悲願のリーグタイトル奪還を目指すセルティックに、頼もしすぎるエースストライカーが帰ってきた。

(文:舩木渉)

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