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バルセロナが“ブスケッツ封じ”にも屈しなかった理由。ワールドクラスの技術を持つ2人の怪物とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

質があまりにも低かったマジョルカ



 まずは、マジョルカの出来について触れていきたい。

 先述の通り、アギーレ監督率いるマジョルカはこの試合で守備時に5バックを採用した。しかし、組織力はまるでなく、最終ラインはガタガタ。正直なところ、後ろに人数を揃えているだけで、急造の感はどうしても否めなかった。

 25分、バルセロナに与えた先制点の場面は、あまりにも軽率だった。

 アルバがボールを持つと、右センターバックのフランコ・ルッソがインサイドハーフのガビに釣られ簡単に最終ラインを飛び出してしまう。それにより出来たスペースにデパイが走り込んだことでアルバからのパスが通り、最後はゴールまで持っていかれている。この時のラインはバラバラ。やはり個の判断“だけ”で動いていると言わざるを得なかった。

 上記のシーンが最も分かりやすかったため取り上げたが、その他のシーンでもマジョルカは人数を揃えていながら何度もスペースを突かれている。最終的に2失点で済んだが、あと2、3点は入っていても不思議ではなかった。

 また、マジョルカには「勝ち点を奪うぞ!」といったような気迫もなかった。79分に数少ないチャンスをモノにし1点を返したが、その後は全力で同点弾を奪いにいくような姿勢を示さなかった。むしろ、カンプ・ノウで負けても仕方なし。残り試合を考え、1点差に抑えることを優先していた印象を受けた。

 それが良いか悪いかは別とし、バルセロナの勝利に“貢献”することになったのは事実。ホームチームからすると、あまり難しくはなかったはずだ。

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