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セルティックで技を磨いた古橋亨梧。驚異的な成績で終えた1年目。絶対的エースの高度なテクニックと駆け引きとは?【分析コラム】

text by 舩木渉 photo by Getty Images

セルティックには二桁得点者が4人!

古橋亨梧
【写真:Getty Images】



 そんなこんなで圧巻のパフォーマンスを披露した王者セルティックはマザーウェルから6ゴールを奪って大勝を収める。古橋とジャコマキスが2得点ずつ挙げた中、前田も実は3アシストを記録。チームの4点目を決めたジョタは、リーグ戦だけで二桁得点二桁アシストを達成した。

 アンジェ・ポステコグルー監督が作るチームは、どこからでもゴールを奪えるのが特徴の1つでもある。例えばJリーグを制した2019年の横浜F・マリノスにはリーグ戦で二桁得点を達成した選手が3人もいた。2020年も2021年も同様だ。

 今季のセルティックでは、リーグ戦二桁得点の選手が4人いる。彼らの成績を並べてみると以下の通りだ。

ギオルゴス・ジャコマキス:21試合出場/13得点1アシスト
古橋亨梧:20試合出場/12得点2アシスト
ジョタ:29試合出場/10得点11アシスト
リエル・アバダ:36試合出場/10得点7アシスト

 さらにゴールとアシストの合計で二桁以上のゴールに関与している選手を列挙してみる。

デイヴィッド・ターンブル:25試合出場/6得点5アシスト
トム・ロギッチ:32試合出場/6得点6アシスト
前田大然:16試合出場/6得点5アシスト
アンソニー・ラルストン:25試合出場/6得点5アシスト

 これだけ多くの選手が個々で10以上のゴールに絡み、最後まで個人タイトルを争えるようなチームだからこそ、リーグ優勝を果たすことができたと言えるのではないだろうか。

 もちろんジョタやアバダのように年間を通して試合に出続けた選手がいれば、古橋が負傷離脱していた期間にその穴を十二分に埋めて得点ランキング首位タイに立ったジャコマキスのような選手もいる。

 ターンブルの離脱中には冬の新加入選手だったMF旗手怜央やMFマット・オライリーが台頭。ラルストンは後半戦になってDFヨシプ・ユラノヴィッチに右サイドバックの定位置を奪われたが、それでもプレーした試合ではコンスタントに結果を残した。

 ずっと同じメンバーで固定して戦っていたのではなく、常に競争や入れ替わりがありながら、ピッチに立った選手たちがその時のベストなパフォーマンスを発揮して、チームとしても勝利を積み重ね続けることができた。

 リーグ戦の最終成績は38試合で29勝6分3敗の勝ち点93。最終節に6点を加えて92得点22失点、得失点差は+70という異次元の数字になった。

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