フットボールチャンネル

リバプールには秘策があった。PK戦で掴んだ2冠。クロップ監督が勝負強さを植え付けた方法とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

「我々は、ある会社と共に仕事をしている」



 その“秘訣”の一端を、ユルゲン・クロップ監督が試合後に会見で明かした。

「我々は、ある会社と共に仕事をしている。それは4人の男たちで、『Nuero11』という名前の会社だ。私は2年前に彼らのことを知って、連絡を取った。彼らの1人は神経科学者で、彼が言ったんだ。「ペナルティーキックを訓練することができます」とね。私は言った。「本当かい?面白いじゃないか。来てくれ」。我々はドイツ人の男と会って、共に仕事をした。そして、このトロフィーは、明らかに同様に彼らのためのものでもある。カラバオカップがそうだったようにね」

 この『Nuero11』社の公式HPを開くと、クロップ監督の顔写真と共に、このドイツ人指揮官のコメントが掲載されている。それによると、『Nuero11』社が開発したメンタル強化のトレーニングを既存のトレーニングにシームレスに統合することで、リバプールの選手たちのメンタル面とシュート精度を具体的に訓練できるようになったのだという。

 クロップ監督は、最後に次のような言葉を残している。

「メンタルの強さが最高レベルで非常に重要な役割を果たしているので、我々はこの男たちと共に働くことに興奮しています」

 好奇心旺盛なドイツ人指揮官の、FAカップを制した後のコメントと『Nuero11』社の公式HP上のコメントを総合すると、リバプールの選手たちは、ペナルティーキックだけでなく、試合中のメンタル面やシュート精度も、『Nuero11』社が開発したプログラムで訓練を受けているようだ。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top