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無駄遣いは? マンチェスター・ユナイテッドの補強診断。過去5年の獲得選手を5段階でチェック。近年の低迷ぶりを象徴する2人の選手とは…

シリーズ:過去5年の補強診断 text by 編集部 photo by Getty Images

D評価(やや期待外れに終った補強)


【写真:Getty Images】


FW:ダニエル・ジェームズ(ウェールズ代表)
生年月日:1997年11月10日
加入年:2019年夏
移籍金:1970万ユーロ(約21.6億円)
通算成績:74試合9得点9アシスト

 加入初年度こそプレミアリーグで33試合に出場したが、メイソン・グリーンウッドの台頭もあり2年目は半分以下の15試合の出場に留まった。在籍した2年間で絶対的な戦力になれたとは言い難いが、21年夏にリーズ・ユナイテッドに2910万ユーロ(約34.9億円)で売却できたことは成功と言える。

FW:オディオン・イガロ(ナイジェリア代表)
生年月日:1989年6月16日
加入年:2020年冬
移籍金:ローン移籍(1200万ユーロ/約14.4億円)
通算成績:23試合5得点1アシスト

 20年冬にマーカス・ラッシュフォードが負傷したことに伴い緊急補強されたストライカーだ。控えFWとしてUEFAヨーロッパリーグ(EL)で2ゴール、FAカップで3ゴールを記録したが、プレミアリーグでは通算12試合で0ゴールに終っている。2年目の2020/21シーズンは公式戦でわずか4試合の出場に留まり、シーズン途中にチームを去った。

DF:アレックス・テレス(ブラジル代表)
生年月日:1992年12月15日
加入年:2020年夏
移籍金:1500万ユーロ(約18億円)
通算成績:50試合1得点8アシスト

 セットプレーをはじめとするキックの精度は抜群だが、独力で突破ができるルーク・ショーとは対照的にドリブルで相手選手を剝がすことができないため、縦関係でコンビを組む選手との連係がなければ持ち味の攻撃力を発揮できないのが悩みの種。今夏にタイレル・マラシアを獲得したことでその立場はさらに厳しいものに。

MF:ファクンド・ペリストリ(ウルグアイ代表)
生年月日:2001年12月20日
加入年:2020年夏
移籍金:850万ユーロ(約10.2億円)
通算成績:0試合0得点0アシスト

 将来への投資の意味合いを込めて20年夏に獲得したウルグアイの至宝。マンチェスター・ユナイテッドでは公式戦の出場がなく、21年冬から1年半アラベスへのローン移籍を経験したが、攻撃的な選手にも関わらず34試合の出場で0得点0アシストと全く結果を残すことができていない。ユナイテッドのトップチームに絡むにはまだ時間がかかりそうだ。

FW:アマド・ディアロ(コートジボワール代表)
生年月日:2002年7月11日
加入年:2021年冬
移籍金:2130万ユーロ(約25.6億円)
通算成績:9試合1得点1アシスト

 トップチームでの実績がない選手に対して2130万ユーロ(約25.6億円)の移籍金を支払ったのは期待の表れでもあるが、それと同時にギャンブルでもある。2021/22シーズン後半はレンジャーズへとローン移籍したが、2月に行われたセルティックとの”オールドファーム”で低調なパフォーマンスに終始したことでジョバンニ・ファン・ブロンクホルスト監督の怒りに触れ、その後はリーグ戦でわずか3試合の途中出場に留まった。現在20歳と現時点で彼の評価を下すのは酷だが、ペリストリ同様にユナイテッドのトップチームで活躍するためにはもうしばらくの時間が必要だろう。

DF:ラファエル・ヴァラン(フランス代表)
生年月日:1993年4月25日
加入年:2021年夏
移籍金:4000万ユーロ(約48億円)
通算成績:28試合1得点1アシスト

 昨季は新型コロナウイルス陽性反応も含めて5度の離脱と戦力として1年間計算することができなかった。能力の高さは申し分ないのだが、プレミアリーグで実力を発揮できているとは言い難い。今夏にエリック・テン・ハグを新監督に招聘し、アルゼンチン代表DFリサンドロ・マルティネスを補強。エリック・バイリーも好調であり、今季は勝負のシーズンとなるだろう。

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