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マンチェスター・ユナイテッド、最悪の敗戦はなぜ起きた? 狙われた弱点、まだ足りないピースとは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

エリクセンのアンカーは良かったが…



 2点ビハインドで迎えた53分、テン・ハフ監督はフレッジを下げてC・ロナウドを投入。それまで最前線にいたエリクセンをアンカーの位置まで下げ、状況の打開を試みた。

 ブライトンのテンションが落ちたことも忘れてはならないが、エリクセンが中盤に入って以降のユナイテッドは、ボールがよく動き、チャンスも作れるようになった。実際テン・ハフ監督も「後半はエリクセンが下がって、C・ロナウドが上がって中盤が良くなったのは確かだった」と話している。

 しかし、エリクセンのアンカー起用はあくまで応急措置といったところで、今後の明確な解決策になることはないだろう。デンマーク代表MFのキック精度は世界屈指であり、攻撃面だけを考えれば問題はないように思えるが、やはり守備面の強度には不安を残す。テン・ハフ監督はアヤックス時代から被カウンター時の対応があまりうまくなく、それに加えエリクセンが中盤底に入るとなると、それこそ諸刃の剣である。

 そう考えると、やはり中盤底の補強は必須だろう。いま現在市場に出ているトップレベルのMFは決して多くないが、理想はバルセロナのフレンキー・デ・ヨング、あるいはウォルバーハンプトンのルベン・ネベスといったところになるはずだ。

 もちろん彼らの獲得は容易ではない。デ・ヨングに関しては粘り続けているが、進展の気配がないのが現状だ。しかし、このままのスカッドで移籍市場のクローズを迎えることになれば、また厳しいシーズンになることだろう。

(文:小澤祐作)

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