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チェルシーはドタバタ…。専任SD不在→トゥヘル解任。リーグ史上最高額の移籍金の成果は?【22/23補強診断(3)】

シリーズ:22/23補強診断 text by 編集部 photo by Getty Images

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 2022/23シーズンの移籍市場でも多くの移籍が成立したが、プレミアリーグのビッグクラブはどのような動きをみせたのか。今回は新オーナーを迎えるなど激動の夏を過ごしたチェルシーの補強動向を分析する。(文:安洋一郎)


新オーナーとなってからの変化


【写真:Getty Images】

 今夏のチェルシーはオーナー交代の影響で目まぐるしく環境が変わっており、課題は山積みだった。フロント側の陣容でいえば、ロマン・アブラモビッチ前体制で会長を務めていたブルース・バック氏や移籍における要職(ディレクター)に就いていたマリナ・グラノフスカイア氏、テクニカル&パフォーマンス・アドバイザーを務めていたペトル・チェフ氏らが揃って退陣。

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 特にマリナ・グラノフスカイア氏の退任の影響は大きく、新オーナーのトッド・ベーリー氏は新しいスポーツディレクターを雇わず、トゥヘル監督に同職の一部を兼任してもらう形で移籍市場が開幕を迎えた。補強に関する意見が通りやすくなった一方、ドイツ人指揮官は現場に集中したかったそうで、この辺りからオーナー陣とトゥヘルの下で溝が生まれ始めていた。

 現場に目を向けるとアントニオ・リュディガーやアンドレアス・クリステンセン、2人のCBが契約満了に伴い退団。昨季期待外れの結果に終ったロメル・ルカクは1年でインテルへと復帰し、マルコス・アロンソもクラブと契約を解除してバルセロナに移籍した。

 主力選手だけでこれだけの退団があったため、まずは彼らが抜けた穴を埋めることを最優先に補強が行われた。新オーナーは移籍市場に多額の資金を投じ、ラヒーム・スターリングやカリドゥ・クリバリ、マルク・ククレジャ、ウェズレイ・フォファナ、そして最終日にはピエール=エメリク・オーバメヤン、デニス・ザカリアを補強することに成功している。

 また近年アカデミーはメイソン・マウントやリース・ジェームズらを輩出した時代と比較すると「不作」とも言われており、ガブリエル・スロニナやカーニー・チュクウェメカら若手選手も積極的に獲得した。その結果、プレミアリーグ史上最高額の2億9700万ユーロ(約356億円)もの資金を一つの移籍市場で投じている。

 しかし、ようやく戦力が揃ったと思った矢先、移籍市場閉幕から1週間も経たない9月7日にトーマス・トゥヘル監督が解任された。

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