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久保建英 2年前

久保建英は相手を困らせていた。最多の数字は? かつての指揮官に見せた成長【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

エメリ監督は久保建英の成長を実感したはず


【写真:Getty Images】



 ビジャレアルは久保の“古巣”。そしてビジャレアルを率いるウナイ・エメリ監督は、若きMFを冷遇した人物である。

 もちろんエメリ監督による久保の起用法に疑問を持つこともあった。しかし、久保にも問題がなかったわけではない。とくに守備面。エメリ監督から「タケーーー!!」と大きな声が飛び、慌ててポジショニングをした姿は今でもよく覚えている。

 そこからヘタフェ、マジョルカへの在籍を経て久保は大きく成長した。守備の意識、強度は残留争いを強いられたチームの中で着実にレベルアップし、日本代表やソシエダでも生かされている。また、以前までは終盤のスタミナ切れも目についたが、現在は終盤になってもスプリントを怠らない。もちろんボールを保持できるチームとそうでないチームとの差はあるが、ここも大きな成長だ。

 かつてエメリ監督は「彼は3つのポジションでプレーでき、7番(右サイド)がベストポジションだが、そこには激しい競争がある。中央では改善に取り組んでいるところで、左サイドではさらに成長する必要がある」と久保を評していた。その久保は、今や左サイドで輝きを放っている。エメリ監督が求めたものを、日本代表の未来は“不遇”を味わって着実に身につけてきたと言えるだろう。

 久保の成長ぶりは、ベンチで指揮を執ったエメリ監督の眼にしっかりと焼き付いたはず。背番号14にとっては最高の古巣戦になったのではないか。

(文:小澤祐作)

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