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悪い傾向…アーセナルは正念場。なぜ冨安健洋はロストを繰り返したのか?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

アーセナルが正念場を迎えている理由


 冨安以外にもサリバが相手のプレスに引っかかってショートカウンターを食らうなど、試合内容が苦しかったアーセナル。特に後半はシュート2本、枠内シュートは0本とチャンスらしいチャンスを作れずにいた。

 
 その要因の一つはスモールスカッドが故の疲労の蓄積だろう。週末にプレミアリーグ、ミッドウィークにUEFAヨーロッパリーグ(EL)というハードスケジュールが続いている中で、アーセナルは明確なターンオーバーを行っているわけではない。

 今節、そして現地時間13日に行われたボデ/グリムト戦の両方でスタメン出場したのはサリバ、ベン・ホワイト、マルティン・ウーデゴール、ブカヨ・サカ4名で、苦しい試合展開だったこともあり後半開始早々からはガブリエウ・マルティネッリとグラニト・ジャカも出場している。

 9月の代表戦以降アーセナルは週2ペースでの連戦が続いており、間違いなく主力選手には疲労が蓄積している。そのためか、先週のリバプール戦までは相手から大量ゴールを奪って「殴り勝つ」試合を展開していたが、ゴール期待値をみるとボデ/グリムト戦は0.75点、今節は0.8点と直近の2試合はいずれも1点を下回っており、どちらの試合も後半は全くチャンスを作れなかったという共通点もある。

 この週2試合ペースの過密日程はカタールワールドカップ前の最終戦ウォルヴァーハンプトン戦(11月12日)まで続き、1ヶ月以内に計8試合が控えている。既に試合内容は以前と比較すると乏しくなっており、連戦に伴う蓄積疲労によって負傷のリスクも高まっている。2位マンチェスター・シティと勝ち点4差の首位に立っているとはいえ、正念場を迎えていると言っても過言ではない。

(文:安洋一郎)

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