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ポルトガル代表はまだまだ伸びる。C・ロナウドに見られた変化とは?【カタールW杯】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

ポルトガル代表が攻撃を苦手としている理由


 その最大の要因は守備的戦術を志向するフェルナンド・サントス監督の戦術にある。長くサントス監督は堅い守備ブロックを作ることを重要視するために、ガチガチに選手を起用したポジションに固定してプレーさせていた。簡潔に説明すると、選手たちのプレーエリアに制限をかけて、自分たちの持ち場で精一杯プレーさせるのだ。

 この戦術は攻撃が機能しにくい反面、守備面では穴のない堅守のチームを作ることができる。それが功を奏したのが2016年のユーロ(欧州選手権)だろう。同大会でポルトガル代表は決勝トーナメント以降で1失点しかしなかった。

 しかし、この守備的なサッカーは今の時代にあったものではなく、度々批判を浴びてきた。加えてチームの司令塔であるブルーノ・フェルナンデスは、このようにポジションを固定させてプレーさせると良さが半減するという懸念点があり、実際に昨夏のユーロまでは29試合で4得点5アシストとクラブでの好調とは対照的な成績に終わっていた。

 ただ、昨夏のユーロでの惨敗から徐々にこの守備的すぎるサッカーから脱却しようとしている。それが今節ウルグアイ代表戦でも垣間見えた。

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