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アルゼンチン代表、2つの変化とメッシの習慣。オーストラリアをいなした90分間【カタールW杯】

シリーズ:コラム text by 西部謙司 photo by Getty Images

イメージどおりの戦い方



 攻守にオーストラリア代表の勢いを削いだ後、GKマシュー・ライアンへのハイプレスから追加点を奪った。

 ライアンの左サイドへのパスに対して、デ・パウルが猛烈に寄せる。さらにGKへのバックパスにもそのまま寄せていった。GKライアンは辛うじてデ・パウルをドリブルでかわしたが、そこを狙っていたアルバレスがボールを奪って無人のゴールへ決めた。ラウタロ・マルティネスからポジションを奪ったアルバレスはこの試合でも運動量が凄い。

 フリーになるフェルナンデスを経由させるパスワークでリズムをつかんだアルゼンチン代表はメッシの単独ドリブル、マルコス・アクーニャの際どいクロスで3点目を取りに行く。

 オーストラリア代表は3人交代から反撃に転じて77分にこぼれ球をクレイグ・グッドウィンがシュートして1点を返す。さらにアジス・ベヒッチが次々とDFをかわしてシュートするがリサンドロ・マルティネスがブロック。

 終盤はメッシのオンステージ。ドリブルで3人引きつけてラウタロ・マルティネスへラストパス、自ら突入してシュートと立て続けに4つの決定機を作った。オーストラリア代表も最後まで諦めず、ハイクロスからガラン・クオルがシュートするがGKエミリアーノ・マルティネスがファインセーブで得点ならず。

 アルゼンチン代表はフィールドプレーヤー10人のハードワークとGKの活躍、そしてただ1人体力をセーブしながら決定的な仕事をするメッシという彼らのイメージどおりの戦い方で勝利。準々決勝へ進んだ。

(文:西部謙司)

【了】

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