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マンUの采配勝ち。なぜバルセロナは勝てなかった?裏目に出たシャビ監督の起用【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

シャビ監督も認めたユナイテッドの巧さ



 立ち上がりこそ、バルセロナは悪くなかった。

 攻撃時、左ウィングに入ったガビは内側にポジショニングし、それによって空いたスペースをサイドバックのジョルディ・アルバが使うことで5レーンを埋めている。ユナイテッドは外から中に入ってくるガビを誰が捕まえるのか明確になっていなかったため、何度かそこを起点にゴールへの可能性を探っていた。

 しかし、時間が経つにつれて、バルセロナは自分たちの土俵で戦えなくなっている。インテンシティー高く前に出てくるユナイテッドを前に、本来の強みである我慢強いポゼッションができなくなり、アウェイチームのペースに合わせるかのように攻撃を急いでしまった印象を受けた。

 バルセロナの1失点目は、アルバの長いパスをカットされ、ショートカウンターを受けたことで許したものだった。また、2失点目に繋がるコーナーキックも、クンデからアンカーに入ったフレンキー・デ・ヨングへの縦パスを奪われたことで与えたものであり、完全にユナイテッドの型にハマっていた。

『UEFA.com』によれば、試合後シャビ監督は「彼らは素晴らしいカウンターアタック・フットボールを展開し、ラッシュフォードが背後に回り、ブルーノ(・フェルナンデス)がロングパスを出した。我々は試合を成熟させ、終始状況を落ち着かせたかったが、ユナイテッドは思い通りにプレーするのが非常にうまい」とコメントしていたとのこと。相手の“思い通り”にさせてしまったと認めている。

 また、データを見てもそれは明らか。バルセロナは支配率で上回ったが、18本というシュート数は相手よりわずか1本多いだけ。どちらが効率よく、そして得意な形でゴールに迫っていたかは一目瞭然だろう。

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