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長友佑都 6年前

欠場続く長友佑都、活路はどこに。ライバルたちの“クオリティ”を凌駕する答えが必要

インテルは現地時間30日に行われたセリエA第19節の試合でラツィオと対戦し、0-0で引き分けた。長友佑都は現地メディアで先発が予想されていたが、結局今回もベンチで出場なし。ライバル選手たちが監督の要求する“クオリティ”を発揮できている状況の中で、出場機会を取り戻すためには何が必要となるのだろうか。(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ファンに不満は残るも、強敵零封で連敗ストップ

インテル
ラツィオと引き分けたインテル【写真:Getty Images】

 試合終了後、サン・シーロのスタンドからは少しブーイングも漏れていた。インテルはラツィオとスコアレスドロー。リーグ戦での連敗を2、公式戦での連敗を3で止めた彼らだったが、当然のことファンは勝利を求めていた。

 とはいえ、相手は好調のラツィオである。リーグ戦ではここまで43ゴールと、ユベントスに次いでリーグ2位の得点力を誇る相手を零封できたことは、確かに良いことには違いなかった。

 ラツィオの基本戦術は、3-5-1-1のシステムのもとで展開するカウンター。当然守備の際は深いポジションを取るが、ただ両翼が引いて5バックになるだけではない。相手が中央で速攻を仕掛ければ中盤の1人が引いて5-2-2-1になったり、サイドにボールがあれば全体がスライドして4-4-1-1といった並びでサイドのスペースを閉めたりと、局面に応じて最終ラインと中盤がフレキシブルに動く。そして相手チームのボール保持者を挟み込んでボールを奪ったのち、一気に攻撃へと切り替える。これがまた、非常に破壊力があるのだ。

 奪ったと同時に、両ウイングバックとパワーと技術を兼ね備えるMFセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチが前線に上がり、ピッチの幅を取ってボールを呼び込む。後方からの早いフィードをミリンコビッチ=サビッチが受け、スピードのあるチーロ・インモービレが裏へと駆けてこれを拾ってゴールへと向かう。

 そこに絡むのはトップ下のルイス・アルベルト。縦横無尽にポジションを取り、相手のDFラインを押し込んでできたスペースでパス出しやドリブル突破を図る。こうして、スピードに乗ったカウンターは強力であり、リーグ戦ではユーベをアウェーで破って見せた。

 これに対してインテルは、4バックと中盤で強固なゾーンを作る事で対応。ロベルト・ガリアルディーニとマティアス・ベシーノはミリンコビッチ=サビッチとルイス・アルベルトに張り付いてとにかくスペースを与えない。そしてその後ろでは、4バックが緊密に絞って中央のスペースを閉めた。

 こうして築き上げた防壁は機能した。インモービレにボールを触らせず、MFが後方から飛び出すスペースも与えない。その一方でアントニオ・カンドレーバやイバン・ペリシッチを使った速攻を繰り出す。攻守の切り替えの速いサッカーで、試合の流れを五分にしていた。

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