RSB：ダニエウ・アウベス（元ブラジル代表）

生年月日：1983年5月6日
在籍期間：2008年7月〜2016年7月、2021年11月〜2022年7月
移籍金：3550万ユーロ（約49.7億円）、フリー
通算成績：408試合22得点105アシスト

　かつてバルセロナには世界最高のサイドバックが存在した。それが、ダニエウ・アウベスだ。2008年にセビージャから3550万ユーロ（約49.7億円）の移籍金で加入したブラジル人は、ジョゼップ・グアルディオラ監督の元で訪れた黄金期を支え、チャンピオンズリーグ（CL）等、両手では数えきれないほどのタイトルを獲得。誰もが認めるクラブのレジェンドとなった。

　ブラジル人らしいテクニックに高い戦術眼と、当時のサイドバックらしからぬ能力をもっていたD・アウベスは、世界一のポゼッションサッカーを展開する上でうってつけの存在だった。とくにリオネル・メッシとの縦関係は最高で、攻撃的に出ながらも彼の良さを消さず、的確に活かし続けた。もしD・アウベスがいなければ…。若き日のメッシがあれほど輝けていたかはわからない。

　2016年に一度バルセロナを去ったが、一昨年に盟友シャビ・エルナンデス率いるチームに復帰。当時38歳ということもあってフル稼働は難しかったが、ピッチに立てば年齢を感じさせない高いパフォーマンスを発揮し、なかなか波に乗れていなかったクラブにわずかな光を差し込んだ。その1年後に、408試合22得点105アシストという通算成績を残して2度目の退団を決断している。

LSB：ジョルディ・アルバ（スペイン代表）

生年月日：1989年3月21日
在籍期間：2012年7月〜2023年7月
移籍金：1400万ユーロ（約19.6億円）
通算成績：459試合27得点99アシスト

　元フランス代表のエリック・アビダルも素晴らしい選手だったが、バルセロナ史上最高の左サイドバックは現役のジョルディ・アルバで異論ないだろう。2012年にカンテラ（下部組織）時代を過ごしたクラブに戻ってくると、以降は不動のレギュラーとして大活躍。クラブ歴代9位となる通算459試合に出場し、実に19個ものタイトルをその手に収めてきた。

　アルバの攻撃性能は世界屈指だ。スピード、テクニック、スタミナのすべてがハイレベルだが、特筆すべきはオフ・ザ・ボールの質で、裏に抜け出すタイミングや走るコースが完璧。その特長を活かしてクラブの絶対的エースだったリオネル・メッシとは阿吽の呼吸をみせ、メッシのパスにアルバが抜け出し、そこからの折り返しをメッシがゴールに繋げるなど、2人だけで崩すことが珍しくなかった。

　そのメッシがクラブを去ったあとも、アルバはDFとして類稀な攻撃力を武器に左サイドを活性化し続けている。2022/23シーズンは年齢による衰えやアレックス・バルデの台頭もあって出場機会を大幅に減らしたが、不満一つ漏らさず、ベテランとしてできることは全うした。今夏、セルヒオ・ブスケッツと共にクラブを去る生けるレジェンドを、サポーターは永遠に忘れないだろう。