MF：マイケル・キャリック（元イングランド代表）

生年月日：1981年7月28日
在籍期間：2006年夏～2018年夏
移籍金：2720万ユーロ（約38億円）
クラブ通算成績：464試合24得点36アシスト

　ポール・スコールズと並び、中盤の底でマンチェスター・ユナイテッドの黄金期を支えたのがマイケル・キャリックだ。ウェストハムの下部組織で育った同選手は、トッテナムを経て2006年夏に移籍金2720万ユーロ（約38億円）で加入。サー・アレックス・ファーガソン監督だけでなく、ルイス・ファン・ハール、ジョゼ・モウリーニョなど様々な監督の下で絶対的な存在として活躍した。

　広い視野と鋭い戦術眼を持ったキャリックは動き出した味方選手を見逃さず、ピッチ上のどこからでも瞬時にピンポイントパスを配球。右足一振りで戦況を変え、チャンスを演出してみせた。またポジショニングとボール奪取能力が抜群で、セカンドボールの回収や相手の攻撃の芽を摘み取る対人守備など、中盤の門番として存在感を発揮した。

　キャリックは淡々と自身の役割をこなし、クリスティアーノ・ロナウドやウェイン・ルーニーら華やかなプレーで観客を魅了した選手の陰でチームを支えた。個人として受賞したタイトルは少ないが、間違いなくクラブの歴史に名を刻んだ選手の1人だろう。

MF：パク・チソン（元韓国代表）

生年月日：1981年2月25日
在籍期間：2005年夏～2012年夏
移籍金：730万ユーロ（約10億円）
クラブ通算成績：204試合28得点30アシスト

　かつて京都パープルサンガ（現在京都サンガF.C.）でプレーした韓国人アタッカー、パク・チソンも大成功補強の1人だろう。3シーズン在籍したPSVで2度のリーグ優勝に貢献し、日韓ワールドカップで見事な活躍をみせた同選手は、2005年夏に移籍金730万ユーロ（約10億円）でマンチェスター・ユナイテッドへの移籍を果たした。

　無尽蔵のスタミナを誇ったパク・チソンは、圧倒的な走力を活かして攻守両面で躍動。特に2列目からの飛び出しが絶品で、10/11シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ（CL）準々決勝2ndレグのチェルシー戦では絶妙な抜け出しから決勝点をマークし、準決勝進出に導いた。

　当時のチームにはクリスティアーノ・ロナウドやナニ、ライアン・ギグスらが在籍していたが、パク・チソンは泥臭く献身的なプレーで出場機会を確保。スタメンの座を勝ち取れたとまでは言い難いが、7年間で公式戦204試合28得点30アシスト、さらに計11個ものタイトル獲得に貢献というアジアの誇りと呼ぶに相応しい活躍を披露した。

MF：ブルーノ・フェルナンデス（ポルトガル代表）

生年月日：1994年9月8日
在籍期間：2020年冬～
移籍金：6500万ユーロ（約91億円）
クラブ通算成績：185試合64得点54アシスト

　2020年冬にスポルティングCPからやってきたブルーノ・フェルナンデスの移籍金は6500万ユーロ（約91億円）と決して安くはなかった。だが、シーズン途中での加入かつプレミアリーグ初挑戦にも関わらず、1年目でリーグ戦14試合で8得点7アシストを記録。2シーズンぶりのUEFAチャンピオンズリーグ（CL）出場権獲得に導く救世主とも言える活躍をみせた。

　B・フェルナンデスのパスはどれも絶品で、タッチライン際からのピンポイントクロスやバイタルエリアからの相手選手間を通す鋭いスルーパスなど、あらゆる球種を使い分けてピッチ上のどこからでもチャンスを演出できる。さらに卓越したテクニックと鋭い戦術眼も持ち合わせ、マンチェスター・ユナイテッドの攻撃を操りつつ、抜群のポジショニングと2列目からの飛び出しで自身でもゴールを奪うことができる世界トップクラスの名手だ。

　また、試合を見ていてわかる通りキャプテンシーも抜群。サー・アレックス・ファーガソン監督の退任以降、マンUは苦しい時期を過ごしているが、再び黄金期を迎えるためにはこの男が絶対に欠かせない。22/23シーズンに6季ぶりとなるリーグカップタイトルをもたらした同選手は、来季12/13シーズン以来のプレミアリーグ制覇に導くことができるか。