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【三笘薫・分析コラム】なぜ最低評価なのか? 簡単に止められたドリブル、デ・ゼルビ監督が言及する問題とは

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

三笘薫のドリブルが簡単に引っかかった理由


 ブライトンがチームとして何もできなかった先週末のアーセナル戦とは打って変わり、この試合ではクリスタル・パレスのプレスをはがすことができていた。

 それはトップ下に入ったパスカル・グロスの影響が大きい。彼がカメレオン的に様々なポジションに顔を出すことで数的優位を作り、プレスの逃げどころとして機能をしていた。

 そのためアーセナル戦と比較をすると多くのボールが三笘にも入った。しかし、ドリブルで仕掛けた場面では対峙したクリスタル・パレスの右SBナサニエル・クラインや右CBヨアキム・アンデルセンに奪われるシーンが目立ってしまった。

 これはアーセナル戦後にロベルト・デ・ゼルビ監督が「彼は負傷を抱えている。まだ彼の水準でプレーできていない」と、言及していたようにコンディション不良の影響が大きいだろう。

 確かに前半から三笘は足を庇うような動きを所々でみせており、万全の調子ではないことはドリブルが簡単に引っかかるところからも伝わってきた。

 ただ、三笘はドリブルだけが武器の選手ではない。昨季後半戦に執拗なダブルチームで対応された際には、相手選手を自らに引きつけてから味方選手にパスを出すことで、自分を囮に周りを活かしていた。

 実際に今節も16分に逆サイドから飛び込んできたジャック・ヒンシェルウッドにパスを出すなど、周りを使う意識は強かった。しかし、結果としてシュートに繋がるラストパスの数は0本と三笘を起点にチャンスを作る機会はほぼ見られなかった。

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