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コラム 2年前

ネックになっている。イングランド代表がケインを先発から外すべき理由。スイス戦から見えた課題【ユーロ2024分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 フリーライター photo by Getty Images

イングランド代表のボトルネック

【写真:Getty Images】


 スイス代表の守備が強固で素晴らしかったのは前提だが、イングランド代表の敵陣ボックス内での駆け引きの少なさも問題だ。

 特に厳しいのがハリー・ケインで、28分にサカが個人技でボックス内までドリブルで運んで折り返した場面でも中央で棒立ちしたままだった。そこに点で合えばゴールになるが、初めから動いていないので相手チームからすると守りやすい。

 ここがオリー・ワトキンスだった場合、彼が所属するアストン・ヴィラはウナイ・エメリ監督にチームとしてカットバック(ハーフスペースからのマイナスへの折り返し)を仕込まれているため、自身はゴール方向に抜け出して相手DFを自らに食いつかせることで、マイナスへのスペースを空けるだろう。

 ロングボールも収まらない、裏へ抜け出すアクションもない、低い位置でボールを捌く影響で、味方選手がサイドから突破してクロスを折り返してもボックス内に入っていないなど、今大会のケインは良い場面が2つのゴールシーン以外はほとんどない。

 今のイングランド代表にはケインを筆頭にベリンガムら、自分でゴールを決めたい選手があまりに多すぎる。先発で囮となれるワトキンス、途中から空中戦とPKに強いアイヴァン・トニーを起用した方がイングランド代表の機能性は上がるだろうが、サウスゲート監督が主将でエースのケインをサブに降格させる決断をすることはないだろう。

 相手チームに合わせた対策に、チーム唯一の本職レフトバックとなるルーク・ショーが今大会初出場など、ようやく明るい話題が出てきた中で、ケインはチームのボトルネックとなっている。彼のポジショニングや動き出しなどが改善をされない限りはチームとしての得点力不足の改善は見込めず、ここを残りの最大2試合で解消できるかどうかが、イングランド代表の明暗を分けるだろう。

(文:安洋一郎)

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