CL決勝のチケットを入手するために接触した人物は…
ベッロッコは、単にウルトラスとの“ビジネスパートナー”という関係に満足せず、ウルトラスのトップに立ち、あらゆるビジネスをコントロールしようと目論んでいたようだ。一連の捜査によると、「ベレッタは、ベッロッコが自分を排除しようとしていると確信し、先手を打ったとされている。
ベッロッコがンドランゲタの地元組織から、殺害を許可されるまでに時間がかかることをベレッタが知り、自らを救うために迅速に行動する必要があった」と見られている。
一方、ミランのウルトラス「クルバ・スッド」に関しては、別の犯罪関与が問題視されている。マフィアへの便宜を図ったという加重処罰はなく、主に暴力事件について疑いがでている。
そのリーダーであるルーカ・ルッチも逮捕された。“イル・トーロ(雄牛)”の異名を持つこの男は、2018年12月16日、クルバ・スッド50周年記念パーティーにおいて、反移民を掲げる右翼政党「同盟」の党首で、ミラニスタでもある副首相のマッテオ・サルビーニと一緒に写真にも収まっている。
また、インテル・サポーターの目を失明させた罪や麻薬密売に関する一連のDaspo(スポーツの大会への入場禁止令)や有罪判決を受けていたが、今年9月22日のインテルとのダービーで、スタジアムに再び姿を現した。
さらに、弟のフランチェスコやクリスチャン・ロシェッロ、イスラム・ハガグも逮捕された。ロシェッロは、ラッパーでミラニスタのフェデスのボディガード。ハガグは、フェデスの友人である。
そのフェデスも“イル・トーロ”との関係を持ち、2023年10月26日、捜査当局がフェデスとルーカ・ルッチとの会話を傍受している。その内容は、フェデスがスポンサーを務める清涼飲料水『ボエム』をサン・シーロ内で販売する可能性があるというものだった。
捜査の中心は、ウルトラスによるチケット入手方法であった。クルバ・ノルドの幹部は、22/23シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝のチケットを手に入れるために、インテルの指揮官、シモーネ・インザーギに接触し、ベッペ・マロッタ会長にチケットの手配を依頼するよう要求していた。