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海外サッカー 2週間前

「驚いたことに…」“孤独だった”サンドロ・トナーリはどう生まれ変わったのか。あの事件からの日々【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

インテルに移籍しかけていた?

 イタリアでは、12月12日の聖ルチーアのお祭りで、子どもたちが願い事を書く風習があるのだが、トナーリは「ミランの選手になれるように」と聖ルチーアに手紙を綴っている。実は、ミランに移籍が実現する2020年夏、もう一つのミラノの青と黒のクラブにトナーリが“強奪”されそうな危機があった。

 インテルとブレッシャ、そして代理人との契約はほぼまとまりかけていたが、当時のインテルの指揮官、アントニオ・コンテが経験のある選手の獲得を要請。トナーリの移籍は破断となり、チリ代表のアルトゥーロ・ビダルの獲得に舵が切られた。こうして、インテル移籍は“回避”され、聖ルチーアのご加護もあってか、幼少期から夢に描いたミランへの移籍が実現することとなった。

 ミランでの2年目の2021/22シーズン、トナーリはカンピオナートの36試合に出場し、5ゴールと3アシストを記録して、クラブの19度目のスクデット獲得に大きく貢献。主役の一人となった。翌シーズンはゴールこそ2に終わるが、アシストは7に増え、替えのきかない存在に。やがては、チームを牽引するカピターノとなり、バンディエーラとなると誰もが思い描いたはずだ。

 ところが、ニューカッスルへの電撃移籍が決まり、ミランでの冒険はわずか3年で終焉を迎えることとなった。そして、サッカー賭博の発覚だ。

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