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コラム 1週間前

ボローニャが“弱体化”を免れた理由。イタリアーノ監督がもたらした「戦術的な特長」とは。前監督と「似ている部分」【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

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 ボローニャが2年連続の快進撃を見せている。昨季はチアゴ・モッタ監督のもとリーグ戦5位という成績を残した。ただ、中堅クラブが大躍進を見せたあとの行く末は、大方決まっている。指揮官、そして、主力選手の引き抜きだ。それでもボローニャは沈まなかった。そこには、イタリアーノ新監督と前任者の見事な融合があった。(文:佐藤徳和)

予想を反して2年連続の大躍進を見せているボローニャ

ボローニャ
【写真:Getty Images】

 今季もボローニャの快進撃は、とどまるところを知らない。まるで昨シーズンの戦いを再び目の当たりにしているかのようだ。第31節を終えて、積み重ねた勝ち点は57。昨季の31試合を終えた時点とは勝ち点が1つ足りないが、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内の4位に鎮座している。

 エミーリャ・ロマーニャの州都、ボローニャを本拠地とする同名のクラブは、セリエAを7回、コッパ・イタリアを2回制した名門である。しかし、セリエA制覇は、63/64シーズン、コッパ・イタリア優勝は、73/74シーズンまで遡らなければならない。近年は二桁順位が定位置となり、もはや忘れ去られていた“古豪”であった。

 それが一転、昨季は上位争いに食い込み、最終的に5位でフィニッシュ。イタリアのCL出場権の枠が、4から5に拡大されていた恩恵を得たこともあり、60年の時を経て、CLの舞台に返り咲いたのだ。

 昨年5月20日、3-3の引き分けで終えた第37節のユヴェントス戦終了後、1試合を残して、CL出場権を獲得すると、本拠地レナト・ダッラーラは、「UEFAチャンピオンズリーグ・アンセム」が流れ、花火が打ち上がり、サポーターとともに、快挙を祝して、“フェスタ”の場と化した。

 ボローニャにとっては、それだけ特別なものだった。だが、シーズンが終わると、待っていたのは、主役たちの退団だった。

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