弱体化は不可避かと思われたが…

【写真:Getty Images】
MFアレクシス・サーレマーケルスは、レンタル期間終了に伴いミランに復帰(その後、ローマにレンタル移籍)。得点源のジョシュア・ザークツィーは、マンチェスター・ユナイテッドに移籍。リッカルド・カラフィオーリは、アーセナルに活躍の場を移した。
オランダ代表FWとイタリア代表DFの2人だけで、9000万ユーロ(144億円)に近い移籍金をクラブにもたらしたとはいえ、主軸の退団は、大きな痛手だった。
しかし、最も大きなダメージとなったのは、チアゴ・モッタが契約満了により、監督を退任したことだ。チームをCLに導いた“船頭役”が去り、チームの弱体化は不可避のように思われた。
ボローニャは、モッタの後任に、それまでフィオレンティーナを指揮していたヴィンチェンツォ・イタリアーノを迎えた。
「初めてCLに挑戦できること、そしてボローニャのようなクラブでその機会を得られることを本当に嬉しく思う」
シチリアにルーツを持つ、ドイツのカールスルーエ出身の監督は、就任会見でこう意欲を示した。フィオレンティーナとは、2024年6月30日をもって契約が切れたが、契約更新のオプションも付随していた。だが、イタリアーノは、ボローニャを選択した。これまで現役時代にも指導者としても縁のなかったCL。その魅力が、今回の決断を後押しした。
今季序盤戦は、“予想以上”にネガティブな展開だった。開幕節から4試合を終えて、3分1敗。敵地でのナポリ戦は0-3の完敗を喫し、第4節を終えて14位と、昨季の勢いは見る影もなかった。
だが、10月29日のアウェイでのカリアリ戦で2-0と勝利を収めてから、風向きが変わる。ここから3連勝を遂げ、尻上がりにチームは順位を上げていく。ミラクルの再現だ。