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コラム 8か月前

ボローニャが“弱体化”を免れた理由。イタリアーノ監督がもたらした「戦術的な特長」とは。前監督と「似ている部分」【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

「監督は僕らが持っていなかったものを与えてくれた」

オルソリーニ
【写真:Getty Images】

「監督が就任して、1週間後にはチームメイトにこう言ったんだ。『みんな、俺はこの監督のためなら火の中にでも飛び込むよ』ってね。

 監督は僕らが持っていなかったものを与えてくれた。それは、いくつかの戦術的な特長だ。縦への展開、20から30mの高い位置での守備、ウイングの選手の特徴を最大限に生かすスタイル、そういったものだ」

 実際、ウインガーのオルソリーニは、今季絶好調。第31節を終えた時点で昨季の10得点を上回るリーグ戦11得点をマークしている。そして、ダン・ンドイ。昨季はリーグ戦1得点に終わったが、今季は明らかにゴールへの積極性が際立ち、8得点とブレイクしている。

 モッタ時代には、ワイドに広がり、縦への突破を求められていたが、イタリアーノ政権下では、ゴールを要求されている。それゆえ、全体練習後には、コーチ陣とともに、シュートの練習を繰り返してきた。それがしっかりと結果として実り、数字に現れている。

 3月16日の第29節、ラツィオを5-0で粉砕した一戦。左サイドのンドイがインサイドに切れ込み、右サイドから中央に流れたオルソリーニにスルーパス。これを浮き球で流し込んだ。サイドアタッカーからサイドアタッカーへと渡って生まれた2点目は、まさに、両サイドにストロングポイントを置く、ボローニャならではの形だった。イタリアーノはこう主張する。

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