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コラム 1か月前

「これが最適解」ナポリ、マクトミネイを覚醒に導いた3つの要因。マンUの放出は“間違いだった”のか【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

マクトミネイの力を引き出したコンテ監督の「最適解」

 ジョヴァンニ・マンナ・スポーツディレクターが、マンチェスターにあるマクトミネイの自宅を直接訪れ、ナポリの街やクラブの魅力を熱弁し、三顧の礼を尽くして迎え入れた。

 そしてマクトミネイは、今やナポリに欠かせない存在となった。カンピオナートの第33節を終えた時点で、リーグ戦でのキャリアハイとなる9得点を挙げている。なぜ、これほどまでの活躍が可能となったのだろうか。

 その理由の一つは、アントニオ・コンテ監督が、マクトミネイの特長を最大限に引き出すシステムを構築したことにある。コンテは今年1月に『DAZN』のインタビューでこう語っている。

「確かにいくつか変化はあった。私は常に、このチームに最も合った“服(システム)”を見つけようとしてきた。移籍市場の最終日直前まで、私たちは実質的に3人の選手を欠いた状態だった。3-4-2-1の布陣で臨み、そのときはそれが最適な“服”だった。そして、最後の週に、ロメル・ルカク、マクトミネイ、ダヴィド・ネレスを獲得した。

 その3人が加わったことで状況が変わった。特にスコットの加入が大きかった。現在の4-3-3に行き着く前は、4-2-2-2のような形で、スコットがロメルの近くまで上がり、ウイングの選手たちが内側に入ってくるようなプレーをしていた。そして、今の4-3-3のスタイルにたどり着いたわけだが、私にとってはこれが最適解だと思っている」

 コンテにとって代名詞とも言われた3バックを手放し、4バックを用意した要因が、マクトミネイの強みを引き出すためであったのだ。

 同監督は、昨年9月21日の第5節、ユヴェントス戦以降で4バックを採用。ネレスの負傷離脱により、2月15日のラツィオ戦からの5試合で3バックに戻して戦っているが、それ以外の試合では、すべて4バックで試合に挑んでいる。

 コンテも現役時代はマクトミネイのように、ピッチを縦横無尽に奔走するボックストゥボックス型だった。それゆえ、このような選手の“取説”をしっかりと心得ているのだろう。

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