久保建英 最新ニュース
ラ・リーガ第34節、レアル・ソシエダ対アスレティック・ビルバオの試合が現地時間4日に行われ、0-0の引き分けに終わった。この試合のMVPに輝いたのは、またしてもサッカー日本代表MF久保建英だった。23歳のワールドクラスがチーム戦術とどのように絡んでいるのか、東京大学運動会ア式蹴球部の現役分析官が分析する。(文:阪田天祐)
バスク・ダービーで久保建英が躍動!
【写真:Getty Images】
欧州カップ戦の出場権争いが激化するシーズン終盤のバスク・ダービー。負けが許されないこの試合、両クラブのプライドは正面からぶつかり合い、激しい攻防戦となった。
ホームのレアル・ソシエダは4-3-3の布陣を引き、久保を右サイドハーフで先発起用。また前節から中10日も空いたこともあり、MFマルティン・スビメンディやMFブライス・メンデス、DFナイフ・アゲルドといった主力が戦列復帰を果たす。一方、アウェイのアスレティック・ビルバオは、前の試合から中2日という過密日程の中、普段通りの4-2-3-1で対抗する。
試合は、ソシエダが、疲労感の残るアウェイチームを圧倒する展開になった。まず、FWミゲル・オヤルサバルとB・メンデスを先頭に猛烈なハイプレスをしかけ、相手のビルドアップを無力化。そして攻撃では、アンカーのスビメンディを起点に、短いパスで相手を揺さぶっていく。
この前進したボールの行きつく先には、久保建英がいた。特に前半の久保は、手が付けられなかった。そして試合後、彼はMVPに輝いた。試合を観ていた世界の全ての人間が納得したことだろう。この日本人こそ、「ソシエダの王様」であると。
本稿では、久保が、ソシエダのチーム戦術の中でどのように配置されることによって、“手が付けられない”状態になるのか、そして、久保が最大限に輝くには、どのようなチーム戦術が最適なのかについて、考察する。