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コラム 6か月前

「ダントツで上手い」伊東純也のクロスの秘密。ピッチに七色の虹をかける2種類のキックの「型」【動作分析コラム】

シリーズ:動作分析コラム text by 三浦哲哉 photo by Getty Images

ボールの置き所と身体の使い方でインパクトは強くできる

 縦に速いドリブル突破が特徴の「イナズマ純也」。長い距離の高速スプリントから繰り出される高精度のクロスは、彼の真骨頂です。

【動画 スプリントしながらのクロス】

参照元:YouTube

 ②の蹴り方の高難易度版にあたるこの場合、ボールへのアプローチの局面では、上半身の姿勢を保持しながら、身体の前側で脚をタタタタッと素早く回転させる「前さばき」の動きで回転数とスピードを調整して、踏み込みのタイミングに歩幅を合わせることが重要になってきます。さらには、スピードに乗れば乗るほど、より質の高い軸足の「膝の抜き」によるブレーキングが必須になります。

 同様に、蹴り足を内側に振り抜いてボールに力を加えるのも難しくなりますが、それにもかかわらず伊東は鋭い弾道のクロスを蹴ることができています。

 伊東は、ボールの置きどころを通常より若干右側にして、インパクト直前から上半身を外側(右後ろ)に傾けながら後ろにのけぞるような動きをすることで、身体全体を回転させる力もスイングに参加させているのです。

 クロスを蹴り終わったあとに、外側に膨らむように走っていったり、そのまま勢い余って脚がもつれるように転んでしまうシーンをよく見かけると思いますが、これらはインパクトで内側方向に加えた力の反動によって起こる動きになります。

 2024年9月5日、多くのファンが待望した伊東の日本代表復帰戦となった、FIFAワールドカップ26・アジア最終予選の中国代表戦。前田大然のゴールをアシストした右足でのクロスは、スタジアムが割れんばかりの大歓声とあわせて、多くの方々の記憶に残っているのではないでしょうか。

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