浦和レッズにチャンスはあるか
もう1つ、大会の台風の目になりうるのが、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシを擁するインテル・マイアミだ。ハビエル・マスチェラーノ監督が率いるチームにはメッシのほか、セルヒオ・ブスケッツ、ジョルディ・アルバ、そしてメッシの最高の相棒であるルイス・スアレスと元バルサの戦士がズラリと並ぶ。
そこにアメリカ代表MFベンジャミン・クレマスキのように、イキのいい若手が組み込まれており、観ていてワクワクするチームだ。開催国枠での出場だが、北中米W杯の会場でもある、地元マイアミのハードロック・スタジアムで躍動できるか注目だ。
そして当然ながらJリーグから唯一、参加している浦和レッズの躍進にも期待したい。大手ブックメーカーでは優勝オッズが250倍という浦和。まずグループステージを勝ち上がる上で、組分けとしては決して恵まれているとは言い難い。
2024/25シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ファイナリストであるインテル・ミラノにアルゼンチンの強豪リーベルプレート、メキシコのモンテレイと、ここから上位躍進できるポテンシャルのあるチームばかりだ。ただ、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を3度優勝した実績が物語るように、浦和というのは自分たちより格上と見られる相手の方が、潜在能力が引き出されるような不思議な気風がある。
これらの相手にJリーグと同じ戦い方ができる見込みはほとんどないが、タイトな守備で粘り強く守りながら、カウンターのチャンスはもちろん、90分の中で”浦和タイム”とも言うべき、自分たちの時間帯というのを10分でも20分でも作って、そこでゴールを仕留めたい。
攻撃のキーマンであるブラジル出身のMFマテウス・サヴィオは「僕たちのチームはクオリティーのある選手がたくさんいますし、先発メンバーであってもベンチメンバーであっても、誰が出ても自分の役割、特長をみんなが分かっているので、みんなでいいプレーができると思っています」と語る。その鍵を握るのがメンタルで気負けせず、自信を持って挑むことだ。