「非常に残酷な結果になってしまった」
縦に走るマルティネスに対して、素早く前に出た西川が浦和から見て右側のタッチラインに逃れるが、インテルはヘンリク・ムヒタリアンのクイックスローからマルティネスが絡み、ムヒタリアンが左サイドの高い位置でボールを持つ。そこには後半途中から出場するキャプテンの関根貴大が立ちはだかるが、ムヒタリアンはディフェンスを引きつけて、手前にフォローしたアレッサンドロ・バストーニに通した。
バストーニが左足でノートラップのクロスを送ると、松本泰志がクリアし損ねたボールが右に流れたところをペタル・スチッチがシュートに持ち込む。ボールはニアに侵入していたフランチェスコ・エスポジトに当たり、こぼれ球をカルボーニが右足で流し込んだ。西川も目まぐるしく左右にボールが振られる中でも的確なポジションを取ろうとしたが、結果としてブラインドになり、シュートにうまく反応することができなかった。
しかし、インテルが3-5-2のウイングバックをワイドに広げて攻め続ける中で、浦和が6バックになるようなローブロックで守り続ける状況が続けば、どこかで守備に歪みは起こる。インテルも浦和陣内でボールを持ち、動かし続けながら、そういう隙を辛抱強く待つ強かさが感じられた。
「しっかり守る意識はみんなであった中で、本当に最後の最後にやられてしまった。非常に残酷な結果になってしまったなと感じている」と振り返る西川だが、攻撃面の課題が守備の負担に少なからず繋がったことを認識している。