評価はスペイン国内にとどまらず…
アトレティコでの働きぶりは、スペイン国内にとどまらず、イタリアにも届いた。クエスタの能力に心を奪われ、獲得に動いたのが、ユヴェントスであり、この時、スポーツディレクターを担っていたのが、フェデリコ・ケルビーニであった。現在のパルマの代表取締役である、まさにその人物だ。
面談の末に、彼の高い知識と情熱に感銘を受け、採用を決断。クエスタはU-17のカテゴリーで指揮をしていたフランチェスコ・ペドーネ監督の補佐に任命される。チームにはラドゥ・ドラグシン、ファビオ・ミレッティ、マティアス・スーレ、サミュエル・ムバングラ、ニコロ・サヴォーナが所属していた。すでにトップリーグで活躍しているプレーヤーたちだ。
翌年には、セカンドチームのユヴェントス Next Genのコーチに昇格。そして、前述したように2020年には、アルテタから声がかかり、アーセナルでアルテタを支えることとなるのだ。ガナーズで、クエスタの指導を受けた現ラツィオのヌーノ・タヴァレスは、こう語る。
「彼自身も若いからこそ、選手の声に耳を傾けることができる。僕が成長し、レベルアップするのをとても助けてくれた」
こうしてキヴを失ったパルマは、クエスタを新監督に選出。ケルビーニ代表取締役が、6月26日の新監督就任会見の席で、決断に至った経緯を説明した。