CB:綱島悠斗

【写真:Getty Images】
東京ヴェルディの育成組織出身の綱島悠斗は、国士舘大学を経由し、2023シーズンに生まれ育ったチームでプロデビューを果たした。加入当初から多くの出番を得ており、今季は4月20日の川崎フロンターレ戦を除く22試合でスタメン起用されている。
現在はセンターバックを主戦場としているが、MFを生業としていた時期もあり、そのユーティリティ性が大きな武器だ。特にボールを持ち運ぶ能力は特長のひとつで、現在の東京Vを大いに助けている。
5月25日に行われたJ1第15節・京都サンガF.C.戦(1-0勝利)では、自陣ペナルティーエリア付近でボールを持った綱島が、相手選手を2人かわしながらセンターサークルを越えるまで前進するシーンを作った。ゴールには繋がらなかったが、リスクを負いながらも高い技術でチャンスメイクできるスキルは、現代的なCBに必要な要素である。
今回のスタメンの過半数が25歳以下の若手であると仮定したとき、中国戦でも誰かがリスクを負わなければいけない場面が出てくるかもしれない。最終ラインからその役割を担えるのが、綱島だ。
CB:植田直通

【写真:編集部】
生年月日:1994年10月24日(30歳)
所属クラブ:鹿島アントラーズ
2025リーグ戦成績:23試合0得点
日本代表通算成績:16試合1得点
3バックの一角として起用が見込まれる選手の中で、植田直通は最年長にあたる。フランスやベルギーでの経験も豊富で、今回のチーム全体で見てもリーダー役を担うべきベテランのひとりだ。中国戦ではキャプテンマークを巻く可能性も高いと見られる。
FIFAワールドカップ2018・ロシア大会(W杯)のメンバーにも名を連ねており、最高峰の舞台を知る数少ない選手である。今シリーズのチームでは、39歳の大ベテラン・長友佑都が国際Aマッチ142試合出場でダントツの記録を保持しているが、鹿島の鉄人はそれに次ぐ16キャップ。持ち前の気迫あふれるプレーで後方からチームを鼓舞する場面が見られるはずだ。
また、中国戦ではGKとして早川友基が起用されると予想され、鹿島アントラーズのコンビが縦に並ぶ姿が見られるかもしれない。同クラブは6月以降不調が目立っている(リーグ4試合で1分3敗)が、それまでの堅守を支えていたキープレーヤーの2人だ。守備が大崩れする可能性は低いだろう。
CB:安藤智哉
生年月日:1999年1月10日(26歳)
所属クラブ:アビスパ福岡
2025リーグ戦成績:21試合4得点
日本代表通算成績:1試合0得点
ホンコン・チャイナ戦から大幅なターンオーバーの実施が見込まれるが、古賀太陽のコンディション不良が懸念されるため、前節フル出場を果たした安藤智哉は引き続き先発起用されるだろう。
今季のアビスパ福岡は22試合を終えた段階で暫定12位に位置している。安藤は今年1月に大分トリニータから完全移籍で加入したが、今や福岡のファン・サポーターは彼がいない世界線を考えられないかもしれない。
センターバックとして起用されながらチーム内トップの4得点をあげ、守備面においては八面六臂の活躍を見せている。データサイト『FotMob』によれば、今季の安藤はリーグ戦において「90分あたりのインターセプト数」と「90分あたりのクリア数」で同じくチーム内トップ、「90分あたりのブロック数」で2位を記録している。
安藤はホンコン・チャイナ戦でもセットプレーからヘディングでネットを揺らしたが、ファウルの判定を受けてゴールは取り消しとなった。特長のひとつである空中戦の強さが発揮された、見ごたえのあるシーンだった。
日本代表のセンターバックは層が厚いが、現在の安藤ならば今後の可能性も掴み取れるのではないか。そう感じられるほど、勢いと迫力がある。
