ST:佐藤龍之介

【写真:田中伸弥】
生年月日:2006年10月16日(18歳)
所属クラブ:ファジアーノ岡山
2025リーグ戦成績:18試合3得点
日本代表通算成績:3試合0得点
18歳の佐藤龍之介は、今大会において2試合連続で出番を得ている。63分からピッチ立った1試合目のホンコン・チャイナ戦ではアシストを記録したが、彼のストロングポイントが出たのは2試合目の中国代表戦のように見える。
これまで佐藤が日本代表で求められてきたのは、ファジアーノ岡山と同じくウイングバックとしての特長だった。しかし、中国代表戦では本職のシャドーで起用され、より相手ゴールに近いところに配置された。DFラインと中盤の間でボールを受け、攻撃の起点となり得そうな場面を作った。
ライン間でボールを引き出すシーンは複数回見られ、意図を持って相手ポケットを強襲しようとしていたように思われる。決定機を決め切れなかったのは課題だが、スケールの大きさと可能性は十分に感じられたのではないか。
今大会最大の難敵・韓国代表との一戦で自身の実力を最大化できれば、もうワンランク上のステージに移行できるはずだ。
ST:ジャーメイン良

【写真:田中伸弥】
生年月日:1995年4月19日(30歳)
所属クラブ:サンフレッチェ広島
2025リーグ戦成績:23試合4得点
日本代表通算成績:2試合4得点
ジャーメイン良は8日のホンコン・チャイナ代表戦が国際Aマッチ初出場だったが、いきなり4得点をあげる活躍を見せた。ボックス内で高いクオリティを発揮できることはJリーグでも証明済みだが、代表の舞台でもそれを披露した。
12日の中国代表戦でもピッチに立ったが、こちらでは前節見せたようなゴール前の怖さを見せられず。中盤まで降りてくるシーンも目立ったが、ビルドアップに関与するよりも、やはり彼の強みはボックス内でこそ発揮されるはずだ。
E-1選手権が開幕してから1週間が経ったが、そういった選手の特長に対する理解も各々の間で進んできた頃だろう。ジャーメインがホンコン・チャイナ代表戦と同程度のクオリティを示すことができれば、難敵・韓国代表が相手でも押し込める展開を作れるはずだ。
なお、4ゴールは暫定で大会得点王である。30歳のストライカーが、A代表デビューから一気に歴史に名を残す存在となれるか。さらなるゴールに期待がかかる。
CF:垣田裕暉

【写真:Getty Images】
生年月日:1997年7月14日(28歳)
所属クラブ:柏レイソル
2025リーグ戦成績:23試合5得点
日本代表通算成績:1試合0得点
今大会ここまで、8日に行われたホンコン・チャイナ代表戦(6-1で勝利)の前半しか出番を与えられていないFW垣田裕暉。チームは前半だけで5得点をあげたが、柏レイソル所属のストライカーは1アシストを記録したのみだ。
しかし、その働きは十二分に自身のクオリティを証明するもので、森保一監督もそれを理解しているがゆえに、ハーフタイムで交代を命じたのかもしれない。この日の彼の凄みはスコアシートに現れるものだけではなく、「潰れ役」としてのセンスが光っていた。
ジャーメイン良があげたチームの2点目と5点目は、彼の献身性によるところも大きい。垣田が相手選手を2人も引き付けたことにより、ジャーメインへのマークが分散。5点目はゴール前ながらフリーの状態でボールをおさめられたが、その状況に大きく影響を与えたのが垣田だ。
韓国代表は今大会で最も難しい相手だが、垣田の効果的なオフザボールの動きはどのチームであっても対応が難しいはずだ。ストライカーはそのうえで自身のゴールも狙ってゆくものだが、もちろん同選手も例外ではない。チームを助けながら、自身の輝かしい未来にも結果を繋げたい。