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【写真：田中伸弥】

宇野禅斗にとって転機となった移籍

　サッカー日本代表は13日、東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会・中国代表戦の翌日にトレーニングを行った。練習後、清水エスパルスのMF宇野禅斗が取材に応じた。清水での挑戦、チームメイトの乾貴士の言葉、同世代の存在を糧に、宇野禅斗はワールドカップという夢の舞台を静かに見据えている。

　代表デビュー戦となった中国代表戦では、清水エスパルスに移籍してから磨いてきた“前を見る意識”を発揮。「攻撃的な意識を持って試合に入れた」と自信をのぞかせつつも、「アシストという結果を残した（田中）聡君との差を感じた」と悔しさもにじませる。

　宇野にとって大きな転機となったのが、昨夏の清水への移籍だ。「試合に出ているからこそ成長できる」と語るように、移籍後はスタメン出場を重ね、経験を自信につなげた。FC町田ゼルビア時代には、怪我や不安定なメンタルに悩まされたが、「清水に来てからは常にポジティブなメンタリティで過ごせている」と語る。

　その成長の裏には、元日本代表のチームメイト、乾貴士の存在がある。「貴士君はどんな状況でもズバズバ言ってくれる」と語るように、日々の要求がプレーの幅を広げた。

「前を見るというところは、本当に口酸っぱく言われています。ただ前を見るだけじゃなくて、誰を選択するかという判断を考えながらプレーすることについては、すごく成長できた」と感謝を示す。

　日本代表で生き残っていくためには、歳の近い佐野海舟や川﨑颯太、田中聡らとの競争に勝っていかないといけない。彼らの存在については「指標となるような選手がいるというのは、目指しやすい部分ではあります。ただ、目指すだけでは変わらない。その選手たちとの違いを見せなきゃいけない」と強調。今大会でも持ち前の守備力の高さを発揮するつもりだ。

「昨日の試合でも潰しきれなかった場面があった。自分の特徴と言っているからには、100パーセント潰し切れるパフォーマンスを出したい」と覚悟もにじませる。

「小学生の頃からワールドカップ出場が夢」と語る宇野は、森保ジャパンに入ったことで、その意識はさらに加速。「日頃の意識レベルから変えていかないといけない」と引き締めた表情で語る姿には、静かな闘志が宿っていた。
　
（取材：加藤健一【韓国】、文：編集部）

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