「今後はJ1を中断しないで…」
――1-0で試合が終了しました。日本が韓国を下し、2連覇を成し遂げました。今日のベストプレーヤーは誰でしょうか?
「望月は攻守で良かったですね。センターバック全員の集中力も褒めるべきです」
――大会を振り返ってみて、収穫はありましたか?
「今日の試合は、前半は非常にいいプレーを見せました。特に前からのプレッシングは素晴らしかったですし、少ないチャンスをモノにでききました。後半は、押し込まれましたが、守備は堅固で、韓国にチャンスをあまり与えなかったことも収穫だと思います。大会全体では、過密スケジュールでしたが、選手全員を使って、3連勝できたことは良かったと思います」
――不満だった点はありますか?
「今日の試合で後半はあまり前に出られなかったことは少し反省点になると思います。ビルドアップがあまりできず、コンビネーションが上手くいきませんでした」
――今大会のMVPは誰でしょうか?
「難しいですが、決定力を見せたジャーメインではないでしょうか」
――E-1は観客も少なく、「J1を中断してまで開催する必要はない」という声も少なくありません。ショーンさんはどのようにお考えでしょうか?
「個人的には継続すべきだと思っています。男女代表に関わらず、選手にとっても、コーチングスタッフにとっても価値があると思います。開催国のファンが、関心を持たないことは、非常に残念だと思いますが、ホンコン・チャイナのサポーターは結構いて、盛り上げました。
第2戦の日本対中国戦や、今日の日韓戦では、日本のサポーターもいい雰囲気を作っていました。アンダー世代の大会も観客数は少ないですが、もちろん開催する必要があります。今後は、J1を中断しないで、開催してみてはどうでしょうか? 各チームから、選手を1名だけ呼ぶことができる制限などを設ければ、可能かもしれません」
――3試合を観て、ワールドカップ本大会へ招集に値する選手はいましたか?
「現段階では難しいと思いますが、今後の1年間で成長し続ければ、安藤や望月、佐藤などは招集される可能性があると思います」
――大会得点王とMVPを受賞したジャーメインは難しいですか?
「ヨーロッパでプレーするライバルのストライカーがいるのと、30歳という年齢を考えるとちょっと難しいと思います」
――日韓戦で初めて3連敗を喫した韓国の印象はどうでしたか?
「悪くなかったと思います。前半はあまり上手くいきませんでしたが、後半に良くなり、日本を押し込みました。ロングボールを放り込む攻撃も効果的で、得点だけが足りなかったです。大迫のスーパーセーブもあって、得点できませんでした。
――ライバルの日本に敗れ、本拠地での大会で優勝を逃し、韓国のホン・ミョンボ監督は、厳しい立場になりました。
「そうですね。結果を考えれば厳しいかもしれません」
――香港戦は衝撃の687人の観客数でしたが、今日の日韓戦は、1万8418人が入りました。やはり、日韓戦にしか関心がないのでしょうか?
「サポーターにとっては日韓戦にしか興味が行かないかもしれませんが、それぞれの試合は意味があるものだったと思います」
――韓国のサポーターよりも日本のサポーターの声援の方が大きかった印象です。
「本当に凄かったですね。香港のファンも何百人も残って日本を応援していましたよ!」
――日本のサッカーは香港でも人気がありますね。今日もありがとうございました。
▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。『ニッポンとサッカー 英国人記者の取材録』『英国人から見た日本サッカー “摩訶不思議”ニッポンの蹴球文化』の筆者。「Jリーグ Monthly」のレギュラー出演。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーやNHK、J SportsなどのJリーグ番組出演も。
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【了】