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植田直通はW杯に呼ぶ必要がある。サッカー日本代表のラストピースに鹿島アントラーズDFがなる。本気で優勝を目指すなら

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

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サッカー日本代表DF植田直通
【写真:田中伸弥】

植田直通がサッカー日本代表にもたらすもの

 サッカー日本代表は15日、東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会 韓国の第3戦で韓国代表と対戦し、1-0で勝利を収めた。日本代表は優勝という結果と、戦力の発掘、底上げを両立させた。1年後に控えるFIFAワールドカップ26(W杯)に向けては、植田直通のパフォーマンスこそが大きな収穫と言えるだろう。

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 植田は中国代表戦では3バックの中央で出場し、2-0の完封勝利に貢献。優勝がかかる韓国代表戦では1-0で迎えた77分から途中出場し、逃げ切りという難しいタスクを遂行した。ともに屈強な長身FWとマッチアップする形となったが、Jリーグで見せているような水を漏らさぬ守備で相手の反撃を封じた。

 相手が身長194cmのFWオ・セフンを投入するや否や、森保一監督はピッチに植田を入れた。まさに韓国代表戦は、W杯本番を見据えた起用と言えるだろう。

 日本代表がリードして試合が終盤に差し掛かると、相手は大型FWを起用して、あるいはセンターバックを前線に上げてパワープレーを仕掛けてくる。前回大会ではドイツ代表がニクラス・フュルクルクを、前々回大会ではベルギー代表がマルアン・フェライニを投入してきた。

 ベルギー代表戦ではフェライニにゴールを許している。植田がベンチに控えていれば、大型FW投入の対抗策として森保監督は選択肢を持つことができる。

 W杯本大会の登録選手数は26人。W杯優勝を目標に掲げる日本代表の森保監督は常々「2チーム分の選手層」と言っている。つまり、GKの3人に加え、フィールドプレーヤーの20人前後は先発でもプレーできるクオリティを求めることになる。

 これを逆手に取ると、残りの3人前後はスペシャリストに値する選手を抜擢する考えることもできる。1点差を追う場面で起用したい選手もいれば、1点差を逃げ切るために使いたい選手もいるだろう。逃げ切りたいときに起用したいDFとして植田は適任で、彼の右に出る者はほとんどいない。

 冨安健洋と伊藤洋輝は11月の復帰を目指しているところで、昨季最終盤に復帰した谷口彰悟も今後の見通しは不透明だ。そういったセンターバック陣の事情を勘案しても、植田というカードを持っておくことのメリットは大きい。もちろん、高井幸大や鈴木淳之介がこの1年でどのような成長曲線を描くかによっても変わってくるが、選択肢の1つとして植田が残るのは妥当ではないだろうか。

 そういった事情を踏まえて、本気でW杯優勝を目指すのであれば、植田を招集する可能性は十分にある。日本代表に欠けていたラストピースになり得る。それが証明できたことが、E-1選手権で得た大きな収穫の1つになるだろう。

(取材・文:加藤健一【韓国】)

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【了】

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