「そこはすごい感謝しています」
昌子が鹿島アントラーズの若手だった頃、鹿島には小笠原満男や中田浩二、岩政大樹といった先輩たちがいて、常日頃から力強く背中を押されていた。
それが安定感あるプレーに表れるようになったのは、完全にDFの定位置を獲得した2014年以降。2016年J1制覇、2018年AFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇といった数々の成果を手にしたが、そういう成功ロードを望月らにも辿ってほしいという気持ちがあってこそなのだ。
「源君にはプレーの細かいところもいろいろ言われますけど、昨年は『自信を持ってやれ』とかメンタルの部分が多かった。そこはすごい感謝してます」と望月も神妙な面持ちで語っていたが、最近の彼から好不調の波や精神的なアップダウンがなくなったのは、やはり昌子のアプローチによるところが少なくない。それは町田にとっても大きなプラスと言っていい。
59分の町田の先制弾も彼らのホットラインから生まれた。昌子がロングボールを蹴ると見せかけて、ペナルティエリア外側の真ん中に残っていた望月にタテパスを供給。望月はDFに当てながらも藤尾にラストパスを出し、最終的に背番号9が左足を振り切り、喉から手が出るほどほしかったゴールをもぎ取った。これが決勝点となり、町田は1−0で勝利したのである。