「自分はよく言っていますけれども」「殻を破れたのかな」
「自分はよく言っていますけれども、自分たちが強いチームになるには、こういう展開で勝ち切るのがすごく大事だと思いますし、ある意味自分も最後、体がキツかったところで、殻を破れたのかなと思いますし。正直めちゃくちゃ嬉しかったです」
新潟戦後にも伊藤の言葉を元に原稿を書いたが、それは勝たねばならない試合での川崎の今季の勝負弱さについて反省するものだった。タイトルを取るチームというのは、理不尽にでも勝利するものだが、今季の川崎はそうした、勝たねばならない試合で勝負弱かった。だからこそ、チームを勝利に導く決勝点を決めた伊藤は「めっちゃ嬉しかった」のだ。
ちなみに伊藤の喜びがどの程度のものだったのかは伊藤のゴール後の反応で比較で可能だ。前半7分に伊藤自らが決めた先制点の場面では大喜びはせず、チームメイトからの祝福を眉一つ動かさずに受け入れていた。その伊藤が上半身裸になって吠えていた。どれほどの喜びだったのか、想像ができる。
ちなみに伊藤は「そうですね。脱ぐ必要なかったんですけど、ああいう展開でゴールを決めるのが初めてだったので。そこは、すみません(笑)」と警告覚悟のゴールパフォーマンスを説明した。相手チームに理不尽なゴールを浴びせられる伊藤の今季3枚目のカードが、今後の伊藤の重荷にならないことを祈りつつ、残りのシーズン、チームを勝たせる活躍を何度でも見せてほしいと思う。
なお、1点目については右に川崎の選手が余っていながらも伊藤はシュートを選択している。