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Jリーグ 3か月前

一体感≒一辺倒。鹿島アントラーズに欠けているものは何か? 天皇杯完敗で浮き彫りになるピッチ上の問題【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「一流の選手だとは僕は思わない」

 鹿島はそれでも当初の狙い通り打開を試みるが、向かい風に戻されてセカンドボールを拾われる。追い風の町田は対照的に、中山雄太を中心に対角のロングフィードをうまく使いながら、幅と奥行きを作り出して鹿島陣内に攻め込んでいった。

 本来ならば、鹿島の選手たちはプランBへと移らないといけない。グーで負けるならチョキを出さなければいけない。しかし、チョキでもパーでもなく、鹿島はグーを出し続けた。

 そんなチームに苦言を呈したのが鈴木である。

「チームの狙いというのはどのチームにも必ずあって、でも試合をやるのは僕たち。その通りにできているかどうかっていうのを判断しなきゃいけないですし、そこに対して相手がいちいち、指示通り来なかったときに、監督に『次なんですか』って言っている選手は一流の選手だとは僕は思わない」

 最終的に表現するのはピッチ上の11人。しかし、大きな決断ができないまま時間が過ぎていく。

 鬼木達監督も飲水タイムで指示を送るが、根本的に解決できず。33分には鈴木とチャヴリッチの位置を交換し、36分には濃野公人と小池龍太の位置を交換。さらに、40分には小川諒也を高い位置に上げ、ボール保持時はミラーゲームにするなど試行錯誤を繰り返したが、前半は流れを変えることができなかった。

 鬼木監督は課題として、次のように述べた。

「臨機応変にゲームの状況で(を見て)変えていかないといけなかったと思います」

 鬼木監督は従来から、特に攻撃面においては選手たちの自由を許容しており、各々が特徴を活かせるような配置や組合せをかなり配慮しながら選手を起用している。

 鈴木の課題感もそれに酷似している。

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