鹿島アントラーズにとっての大きな誤算

　彼らボランチに託されたのは、強度の高い町田とデュエルの勝負を制し、ボールを奪ってタテにチャンスボールを配球すること。実際、開始6分には、舩橋佑が斜めに走り込んだ小池にロングパスを送り、ここから鈴木優磨の決定機が生まれている。

　こういう形を数多く作りたかったところだが、逆に町田・中山雄太のミドルシュートがクロスバーに当たって右コーナーキック（CK）を奪われると、その流れから増山朝陽にフリーで飛び込まれ、開始15分にいきなり失点。それも植田直通とキム・テヒョンの両センターバックの真ん中を割られるというあってはならない形だった。

　そしてこの6分後。先制点を決めた増山のロングスローから藤尾翔太にいい形でボールが入り、反転から左足シュート。これも決まってしまい、鹿島は0−2のビハインドを強いられる。これはチーム全体にとって大きな誤算に他ならなかった。

　しかも、この時間帯から強風が吹いてきて、ボールコントロールが難しくなった。リードした町田が守備重視の姿勢を示したこともあり、鬼木監督は背後狙いからボールを持ちながら組み立てる形へとシフトしようと試みたが、それもうまくいかない。